王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「琥珀様!」
「あ?」
「そのような言い方、やめてください!
椿姫様のお気持ちも考えて下さい!」
「ただ単に、椿姫の優しさだろ?
でも、お前等だってわかってるはずだ!
俺と椿姫は、お前等とレベルが違うんだから!」
「ですが、言い方があります」
バックミラー越しに、琥珀と二階堂が睨み合う。

「やめて!琥珀も二階堂も!
琥珀、初めては今日だけにするからもうやめて……」
琥珀の腕にしがみついた。

「………わかった」
「椿姫様、申し訳ありません。つい……」

屋敷に帰りつく、一行。
「おかえりなさいませ!琥珀様、椿姫様!
井高さんと二階堂さんも!
どうでした?初体験!
あ、それ!可愛いですね~!ゲームで取ったんですね!」
川下が、笑顔で出迎えてくる。

「うん…楽しかったよ…」
「え?椿姫様…?」
「私、疲れちゃった。少し休む……」
そう言って、部屋に行ってしまった椿姫。

「どうされたんですか?琥珀様」
「うるせー」
琥珀も椿姫の後をついて行ってしまったのだった。

「……??
どうしたんですか?」
井高が川下に事情を話す。
「そう…だったんですね…」
「琥珀様、彩姫子様に似てる。
椿姫様がどんどん縛りつけられていく」
「琥珀様はある意味、世界の中心にいる方だからな。
その奥様の椿姫様も、許されないんだろうな」

「椿姫様は、私達のこと“家族”って言ってくださるけど、琥珀様にとっては“使用人”ですもんね」

「俺は結婚すれば、もう少し椿姫様が自由になれると思っていた。琥珀様なら、椿姫様の思いをわかってくれると…
これじゃあ、あまりにも…椿姫様がかわいそうだ……」
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