王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
王子と姫は特別
「二人は生まれた時から、常に“特別”だと言われて生きてきたからな。
琥珀様は特にそうなんだ。
旦那様は、一人息子の琥珀様にかなりの期待してて、重圧をかけてたから。
奥様が亡くなってから、余計に………」
井高が静かに話し出す。

「俺は許せない。椿姫様を傷つける人間は、相手が誰でも……」
二階堂が言う。

「私達は、お二人を支えるだけですよ!」
「「あぁ…そうだな」」

その頃の二人。
「椿姫」
「………」
「椿姫!」
「………」
椿姫はベットに横になり、布団にもぐっている。
琥珀はベットに腰かけ、布団の上から椿姫に声をかけ続けていた。

「起きてるんだろ?
無視すんなよ!」
「あっちに行って!」
「やだ!仕事以外では離れない!」
「………」
「もう怒ってないから、出てきて!
顔見せてよ!」
そう琥珀が言うと、椿姫が布団から少し顔を出した。
目元だけ出した椿姫。
「フフ…可愛い~」
「ほんとに怒ってない?」
「うん、怒ってないよ」
そう言うと、椿姫はムクッと起き上がった。

椿姫の頭を撫でる、琥珀。
「俺達は“特別”なんだから、もう今日みたいなこと言わないでね!」
「わかった。
ねぇ、琥珀にとって二階堂達はどんな存在なの?」
「は?どんなって、使用人だよ」
「でも、家族でしょ?一緒に住んでるんだし……」
「うーん。まぁな…でも、俺達とは違う!」
「違うの?」
「椿姫がなんと言おうと、アイツ等は使用人だよ!
俺達の身の回りの世話をするのが、仕事!
俺は親父からそう教わった!
椿姫だって、そうだろ?」
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