王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「確かにお父様やお母様に、そう言われてきたよ。
二階堂にも……」
「だろ?だから、一緒にってのは許されないんだよ!
椿姫が“家族”だって思うのは構わない。
でも、距離は保たなきゃダメ!
それでも、椿姫は主人なんだから」

「………わかった」
「ん。
でも、俺とはずーっと一緒ね!
対等で構わないよ!」
「え?それこそ私が、琥珀をたてなきゃ!」
「いいの!一緒がいい!」
「変なの……」
「変だよ!でもいいの!」
「わかった」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「おはようございます、副社長」
「ん」
「おはようございます!」
「おはようございます」
会社内、颯爽と歩く琥珀。
社員達が、頭を下げて挨拶している。
それを片手を上げながら、交わしていく。

歳は23歳でも、琢巳に負けず劣らずの威厳がある。

「琥珀様、今日の接待ですが30分遅らせてほしいとの連絡がありました。どうされますか?」
井高の言葉に、一気に機嫌が悪くなる。
「は?なんで?理由は?」
「相手の仕事が長引いているようですよ」
「早く終わらせるようにさせろよ!
俺は待てない!
…………じゃないな!待たない!」
「そう言うと思いましたので、相手方には話してますが……どうなるか……」
「はぁぁ?今日は20時には帰るって、椿姫に言ってんだからそれまでだ!
しかもよくこの俺に“待て”なんて言えたな!
犬じゃねぇんだよ!?」
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