王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
琥珀が車に戻ってきて、椿姫の横に乗り込み自分の膝の上に椿姫の頭を乗せた。
「椿姫…ごめんね……」
そう言いながら、頭を撫でた。

「寛二」
「あ?」
「なんで、椿姫を連れてきたの?」
「…………嫉妬したから」
「は?」
「お前に嫉妬したからだよ!
椿姫、俺と話してるのに琥珀の話しかしないんだもん!嫉妬するじゃん?
だから琥珀のことだから、どうせ椿姫を見せたくないとか言って連れてってないのは察しがついたから、ちょっと意地悪したかっただけだよ!
まさかあんなに……しかも、椿姫を責めるなんて思わなかったから」

「だって椿姫が穢れるじゃん!
奴等なんかに会わせたら。それに、バレたくねぇし……」
「お前、まだ言ってないの?」
「言えない。寛二もバラすなよ!椿姫に言ったら、殺るぞ!」
琥珀のどす黒い雰囲気。

「大丈夫だよ。それ言ったら、俺もバレるし!
てか、二階堂もじゃない?」
「は?」
「お前も、昔は凄かったろ?まぁ、お前は一匹狼だったみたいだか!」
「二階堂、お前も偽紳士かよ!?井高も元・暴走族の総長だぞ!」

「あーそうだったね!俺達、みんな椿姫を騙してんだね~!」
琥珀と寛二は、同じ暴走族チームに所属していた。
琥珀をチームに誘ったのは、寛二。
その時寛二はチームを抜けていたが、よく顔を出していたから。
そして二階堂もかなりの不良だった。
色んなヤクザに声をかけられる程の強さだった。
井高も昔は暴走族に所属していて、かなりの強さだったのだ。
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