王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「んん…」
「椿姫(様)!?」
椿姫が目を覚まし、琥珀達が声をかける。

「はっ!?琥珀!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「え……椿、姫?」
バッと起き上がり、耳を塞いでパニックになりながら懇願する椿姫。
そんな椿姫を抱き締めようとする、琥珀。

「嫌!!琥珀、嫌いにならないで!!
琥珀に嫌われたら、私………
死んでしまう………!!!」
「大好きだよ!俺は椿姫のことだけが、大好き!
俺の方が嫌われそうで、怖いくらいなんだよ?」
「はぁはぁ……あんなに怒った琥珀、初めてだったから…」
「あれは……嫉妬…」
「嫉妬って何!?
そんなに私のこと信用できないの?
私が、琥珀以外の男性に会ったら浮気とかするとでも思ってるの?」
「椿姫…」
「二階堂!」
「は、はい!」
「車、止めて!」
「え?」
「早く!!」
「はい!」
ゆっくり車が止まった。

椿姫は自分で車のドアを開け外に出た。
「椿姫!?危ないから、出るな!」
琥珀や二階堂、寛二も外に出る。

「一人に……あ、違う。
“友達”に会ってくる。一人じゃなければ、いいんでしょ?」
椿姫はその場で小夜に電話をかけた。

『椿姫?どうしたの?』
「小夜、助けて…」
『え?椿姫!?今どこ?すぐに琥珀くんに連絡━━━━━』
「琥珀は嫌!」
『え……じゃあ、二階堂さ━━━━』
「二階堂も嫌!」
『わかった!わかったから、落ち着いて?すぐに行くから、場所教えて?』
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