王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「いいって!いつも言ってるでしょ?
椿姫の為なら、どこへでも行くよって!
椿姫は大切な親友なんだから」
「ありがとう」
「どこかでお茶しない?」
「あ、でも…お金持ってないの。スマホしか…」
「奢るよ!」
「え?ダメよ!待って、二階……」
そこまで言って俯く、椿姫。

「椿姫?」
「小夜、どうすれば一人で生きていける?」
「え?何言ってるの?
椿姫には、無理でしょ?」
「え……小夜までそんなこと言うの?」
「え?違う!そうゆう意味じゃなくて!
椿姫、怒らないで聞いてね。
おじ様もおば様も、二階堂さんも、琥珀くんも、みーんなのせいで、椿姫は一人で生きれなくなったと私は思ってる」
「え?」
「だって、誰も…椿姫に一人で生きていけるような方法を教えなかったでしょ?
椿姫には、無理でしょって言ったのはそうゆう意味よ!」
「そうね。ゲームセンターもラーメンも、居酒屋も……行ったことなかったし、一人では家にも帰れないし。
今だって、すぐに琥珀や二階堂を呼んじゃう……」
「そんな風に、しつけられちゃったのよ!椿姫は。
だから、無理よ!今更……!」
「そっか」
「ね?たまには奢らせて?その代わり、今度美味しいケーキ奢って?」
「フフ…わかった!」
ゆっくり歩いて移動する二人。

琥珀達も、少し離れてついていく。

近くのカフェで話す、椿姫と小夜。
もちろん琥珀達も、カフェに入った。

椿姫は小夜に今日のことを話す。
「そう…もったいないのよ、椿姫を自分以外の男に見せるの」
「もったいない?」
「うん、嫉妬ももちろんだけど、琥珀くんにとって椿姫は、宝物だから大切に囲って誰にも見せたくないのよ!」
「宝物……」
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