王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「あなた、琢巳も何か言ってあげて?」
「椿姫、綺麗だよ。
ママよりも、綺麗だ……」
「かもな…彩姫子には悪いが、本当に綺麗だ。
梨沙子にも、見せたかったな……」
琢巳と春樹が答える。

「パパ、お義父様……
ありがとうございます!
さっきも、ママが負けを認めたのよ(笑)!」
「凄いな!椿姫。
彩姫子に負けを認めさせるなんて…!」
「だな(笑)やっぱ敵わないな、椿姫ちゃんには……!」

「椿姫様、本当にお綺麗です…!
貴女様の執事になれて本当によかったと思うくらいに……」
「二階堂、ありがと!」
「本当にお綺麗ですね、琥珀様が羨ましいです………」
「え?」
「いえ。これからもよろしくお願いいたします、椿姫様」
「こちらこそ、井高さん!」

「さぁ、参りましょう。
皆様が待ってます」
川下と、春樹以外は式場に向かった。

「椿姫、本当に綺麗だよ」
「パパ…ありがとう。でもほんとは、ママの方が綺麗でしょ?」
「ハハッ…!まぁな!
結婚した時の彩姫子は、確かに綺麗だったなぁ。
だからパパ、気が気じゃなくてな」
「え?」
「俺の彩姫子が取られる~って!」
「フフ…琥珀みたい」
「ママはどこかでまだ…琢巳を忘れてないからな…!」
「え……?」
「琢巳も今の琥珀くんと同じで、王子の生まれ変わりじゃないかって言われる位のルックスだったからな。
それなのに、優しくて、紳士的で誠実で……
申し分なかったから。
まぁ…琢巳は最初から梨沙子ちゃん一筋だったが!」

「パパ…!!」
「え……なんで、椿姫が泣くんだ?
まだ泣くとこじゃないぞ!」
「椿姫様!?どうされました!?」
椿姫の突然の涙に、春樹と川下が戸惑う。
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