王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「さすがね、二階堂」
「………やめろ…」
「井高さんや川下さんもだけど、うちの使用人は優秀ね!」
「やめろよ……」
「え?琥珀?」
「椿姫」
「ん?」
「椿姫は誰のお姫様なの?」
「え?琥珀だよ」
「そうだよね~
じゃあ…いいよね?」
「え━━━━」
ガチャン━━━━!!!

「んんっ……!!」

琥珀が椿姫の手を掴み、引き寄せ口唇を奪った。
その衝撃で、椿姫は持っていたグラスを下に落とし、テーブルの上の料理も下に落ちた。
会場内が、騒然となる。

「琥珀!!」
琢巳の声が響いた。
「んぁ?」
「お前、いい加減にしろ!?」
「だってこれは、俺の式だもん。俺の好きにしていいじゃん!」
「違う!お前と椿姫ちゃんの式だ。
お前……椿姫ちゃんの顔を見てみろ……!!」
「え……?
あ…椿姫……」
椿姫は泣いていた。

「今日の式の為に、どれだけの人が力を尽くしてたと思ってるんだ!
それに何より、椿姫ちゃんがどんなに今日を楽しみにしてたか、お前がよくわかってるはずだろ?」
「ごめんね!
椿姫…ごめん!」
「うん…」

「皆様、せっかくの式を愚息が申し訳ない。
琥珀は、皆様もご存知の通り椿姫さんに夢中ですからね!
まぁ…こんなに美しいお姫様なら、皆様も気持ちはわかるのではないかと……(笑)
ですから今日は、そのお姫様に免じて許していただきたい」
「まぁ…気持ちはわかりますよね?皆さん!
だって、こんなに美しい椿姫さんですよ?
僕も琥珀くんの立場なら、同じことをすると思います(笑)」

琢巳の言葉と、寛二の咄嗟のフォローで会場が笑いに包まれた。
「お義父様、寛二くん!ありがとうございます!」
「親父、寛二ありがとう!悪かった!」

無事?式が終了した。
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