おデブだった幼馴染に再会したら、イケメンになっちゃってた件
会社の近くにある稲庭うどんを食べさせてくれるお店。久しぶりにゆっくりお昼が食べられるとあって、いつもはなかなか行けないこの店に先輩二人が連れて来てくれた。
「本社のほうで、広報室の社内報の取材にわざわざ来てくれてたんだって」
たまたま広報室に知り合いがいる本城さんが教えてくれた。
「へぇ。最近、うちだけじゃなくて、よく見るよな。CMとか。」
ずるずるずる……。
何も言えず、二人の会話に聞き耳をたてる。
「で、ついでにCMの撮影で面識のできた宣伝部の部長のところにも挨拶に来てくれたんだって。」
「暇なのかね?」
ぶっ。
思わず、吹き出してしまう。
「お、おい、大丈夫かよ?」
「そこ吹き出すとこ?」
慌てて二人ともが紙ナプキンを取り合って、私に渡そうとする。
「す、すみません。」
「あはは。いやぁ、だってさ、わざわざ宣伝のとこまでCMの出演者が来るなんて、俺、ここの部署に来て初めて見たぜ?」
「まぁね。私も初めて見たけど。新創刊だったからかなぁ。一番最初のCMってインパクトあると、記憶に残るしね。」
たぶん、そうだと思いたい。いや、きっとそうだ。
私に会いに来たなんて、ありえない変な期待をしちゃいけない。
バカを見るだけだ。
「神崎さん、食べないの?のびちゃうよ?」
不思議そうな顔をして、私の顔をのぞきこむ本城さん。
「あ、すみません。さっきの彼を思い出してました。貴重な目の保養。」
「はっはっは。それじゃあ、ちゃんと見せてやればよかったなぁ。」
「そうですよ、あんなイケメン、めったに遭遇しないんですからっ!」
軽く笠原さんの肩をたたく。
そう、めったに会えないんだから。内心、そう思ったら、胸がチクリ小さく痛む。
「しばらくは、あの二人のカップルで表紙を飾るみたい。宣伝部情報だけど。CMも何パターンか作ってるから、そのうち、見られるんじゃない?」
「そうなんですか。綺麗でしたものね。兵頭乃蒼さん」
そうは言ったものの、正直、嫌だな。何度もみたくない。
でも、とっても綺麗だった。たぶん、目の前で見たほうが、もっと綺麗なんだろう。
「この前のはウェディングドレスだったけど、今度は白無垢とか着たの、見てみたいなぁ。あの子、絶対似合うと思うんだけどなぁ」
私が想像するのは遼ちゃんの羽織袴。
似合うだろうなぁ。
「ほら、箸止まってるぞ」
「あ、はい」
ずるずるずるずる、と勢いよくうどんをすする。
「私も、いつか着られるのかなぁ、ウェディングドレス」
ぼそっと本城さんがつぶやいた。
本城さんの男性関係は、よくわからない。というか、仕事以外の話をしたことがない。仕事一筋なのかな、と、単純に思ってた。
「なんだよ、自信なさげだなぁ」
「自分に自信のない女子は、そんなもんなんです。ね、神崎さん」
え、そこで私にふります?
ってか、実際そうだけど。
「うぐっ、は、はい……」
「はっはっは。お前らなら大丈夫だよ、なんとかなるって」
豪快に笑いとばす笠原さん。その自信はどこにあるんだろうか。
私は、疑問に思いながらも、うどんの汁をすすった。
「本社のほうで、広報室の社内報の取材にわざわざ来てくれてたんだって」
たまたま広報室に知り合いがいる本城さんが教えてくれた。
「へぇ。最近、うちだけじゃなくて、よく見るよな。CMとか。」
ずるずるずる……。
何も言えず、二人の会話に聞き耳をたてる。
「で、ついでにCMの撮影で面識のできた宣伝部の部長のところにも挨拶に来てくれたんだって。」
「暇なのかね?」
ぶっ。
思わず、吹き出してしまう。
「お、おい、大丈夫かよ?」
「そこ吹き出すとこ?」
慌てて二人ともが紙ナプキンを取り合って、私に渡そうとする。
「す、すみません。」
「あはは。いやぁ、だってさ、わざわざ宣伝のとこまでCMの出演者が来るなんて、俺、ここの部署に来て初めて見たぜ?」
「まぁね。私も初めて見たけど。新創刊だったからかなぁ。一番最初のCMってインパクトあると、記憶に残るしね。」
たぶん、そうだと思いたい。いや、きっとそうだ。
私に会いに来たなんて、ありえない変な期待をしちゃいけない。
バカを見るだけだ。
「神崎さん、食べないの?のびちゃうよ?」
不思議そうな顔をして、私の顔をのぞきこむ本城さん。
「あ、すみません。さっきの彼を思い出してました。貴重な目の保養。」
「はっはっは。それじゃあ、ちゃんと見せてやればよかったなぁ。」
「そうですよ、あんなイケメン、めったに遭遇しないんですからっ!」
軽く笠原さんの肩をたたく。
そう、めったに会えないんだから。内心、そう思ったら、胸がチクリ小さく痛む。
「しばらくは、あの二人のカップルで表紙を飾るみたい。宣伝部情報だけど。CMも何パターンか作ってるから、そのうち、見られるんじゃない?」
「そうなんですか。綺麗でしたものね。兵頭乃蒼さん」
そうは言ったものの、正直、嫌だな。何度もみたくない。
でも、とっても綺麗だった。たぶん、目の前で見たほうが、もっと綺麗なんだろう。
「この前のはウェディングドレスだったけど、今度は白無垢とか着たの、見てみたいなぁ。あの子、絶対似合うと思うんだけどなぁ」
私が想像するのは遼ちゃんの羽織袴。
似合うだろうなぁ。
「ほら、箸止まってるぞ」
「あ、はい」
ずるずるずるずる、と勢いよくうどんをすする。
「私も、いつか着られるのかなぁ、ウェディングドレス」
ぼそっと本城さんがつぶやいた。
本城さんの男性関係は、よくわからない。というか、仕事以外の話をしたことがない。仕事一筋なのかな、と、単純に思ってた。
「なんだよ、自信なさげだなぁ」
「自分に自信のない女子は、そんなもんなんです。ね、神崎さん」
え、そこで私にふります?
ってか、実際そうだけど。
「うぐっ、は、はい……」
「はっはっは。お前らなら大丈夫だよ、なんとかなるって」
豪快に笑いとばす笠原さん。その自信はどこにあるんだろうか。
私は、疑問に思いながらも、うどんの汁をすすった。