おデブだった幼馴染に再会したら、イケメンになっちゃってた件
第4章 日常の私と人気俳優の彼
たぶん、私たちは『彼氏』『彼女』として、つき合い始めたと思う。
思う、というのは、あれから一度も会っていないから。L〇NEでのやりとりは、何度もしてるけど、なかなか面と向かって会う暇がない。
お盆休み明けの膨大な仕事と、その後につづく半期決算の準備。私が直接担当しているわけではなくても、先輩二人の手伝いに駆り出される。
そして同じように、遼ちゃんは遼ちゃんで、映画の撮影が始まってしまった。
私は、『そうやって、キャリアを重ねていくんだ』と思って、ずっと応援することしかできない。テレビの画面越しの遼ちゃんの姿を見て、悶々とする日々が続いた。
そんなある日。仕事も一段落した頃に、先輩たち二人が『お疲れ様会をするぞ!』と、先輩たちの行きつけの店に連れていかれた。
何気につきあっちゃってるんじゃないの~? と思うほど仲の良い二人。同期っていいなぁ、と思いながら梅酒サワーをちびちび。
先輩たちのときは同期の数が多かったらしいけど、私には同じフロアには同期はいない。少し寂しい。
「まぁ、こればっかりは仕方がないよ。まぁ、誰か異動でもしてくれば別だけどさ」
「神崎さんの同期ってのは難しいかなぁ。そんな数いないし」
「ははは。仕方ないですね」
くいっと飲み干して、同じものをおかわりする。
「でも、今度の組織改編で、ちょっと変わるかもな」
眉間にシワをよせながら、枝豆に手に取る笠原さん。
「そ、そうなんですか?」
「まぁ、システム的にも、いろいろ変えなきゃいけないところもあるし、ちょっと人手が足りなくなりそうなんだよね。うちのチーム」
「そうなんですか」
席替えだとか、レイアウト変更だのしなくちゃいけないのかな、と思いながら、ポテトをつまむ。
ブルルルル、ブルルルルと、マナーモードのスマホの揺れる音。三人がそれぞれに、自分のスマホをチェック。
「あ、ごめん、私だわ」
あまりお酒を飲んでも顔に出ない本城さんが、ほんのり頬を染めている。
「もしもし」
可愛いなぁ、と思いながら、スマホを持ちながら店を出て行く本城さんを目で追う。
「(可愛くて)いいなぁ」
頬杖をつきながら、梅酒をちびり。
「神崎は、彼氏とかいないのかよ」
さらっと、聞いてくる笠原さん。
「え、えと、い、いないですよ~。いたら、今ごろ、ここにいませーん」
あはは、と若干わざとらしいかな? と思いつつ否定してみる。さすがに『います』と答えて、根掘り葉掘り聞かれたら、何も言わないではいられない。
「そうなのか? ん~、だったら、誰か紹介してやろうか。俺の大学の後輩とか」
「い、いいですよ~。今は、恋愛より仕事ですっ!」
内心、自分に『嘘つき!』と叫ぶ。
「ふ~ん。まぁ、ほどほどにしとけよ~。気が付いたら相手がいなかった、なんていうパターンもあるからな。ほら、総務部のお局様みたいにな」
ニヤニヤしながら言う笠原さん。
その方に、なんか恨みでもあるんでしょうか。失礼ですな。ジロリとその方の代わりに睨む。
思う、というのは、あれから一度も会っていないから。L〇NEでのやりとりは、何度もしてるけど、なかなか面と向かって会う暇がない。
お盆休み明けの膨大な仕事と、その後につづく半期決算の準備。私が直接担当しているわけではなくても、先輩二人の手伝いに駆り出される。
そして同じように、遼ちゃんは遼ちゃんで、映画の撮影が始まってしまった。
私は、『そうやって、キャリアを重ねていくんだ』と思って、ずっと応援することしかできない。テレビの画面越しの遼ちゃんの姿を見て、悶々とする日々が続いた。
そんなある日。仕事も一段落した頃に、先輩たち二人が『お疲れ様会をするぞ!』と、先輩たちの行きつけの店に連れていかれた。
何気につきあっちゃってるんじゃないの~? と思うほど仲の良い二人。同期っていいなぁ、と思いながら梅酒サワーをちびちび。
先輩たちのときは同期の数が多かったらしいけど、私には同じフロアには同期はいない。少し寂しい。
「まぁ、こればっかりは仕方がないよ。まぁ、誰か異動でもしてくれば別だけどさ」
「神崎さんの同期ってのは難しいかなぁ。そんな数いないし」
「ははは。仕方ないですね」
くいっと飲み干して、同じものをおかわりする。
「でも、今度の組織改編で、ちょっと変わるかもな」
眉間にシワをよせながら、枝豆に手に取る笠原さん。
「そ、そうなんですか?」
「まぁ、システム的にも、いろいろ変えなきゃいけないところもあるし、ちょっと人手が足りなくなりそうなんだよね。うちのチーム」
「そうなんですか」
席替えだとか、レイアウト変更だのしなくちゃいけないのかな、と思いながら、ポテトをつまむ。
ブルルルル、ブルルルルと、マナーモードのスマホの揺れる音。三人がそれぞれに、自分のスマホをチェック。
「あ、ごめん、私だわ」
あまりお酒を飲んでも顔に出ない本城さんが、ほんのり頬を染めている。
「もしもし」
可愛いなぁ、と思いながら、スマホを持ちながら店を出て行く本城さんを目で追う。
「(可愛くて)いいなぁ」
頬杖をつきながら、梅酒をちびり。
「神崎は、彼氏とかいないのかよ」
さらっと、聞いてくる笠原さん。
「え、えと、い、いないですよ~。いたら、今ごろ、ここにいませーん」
あはは、と若干わざとらしいかな? と思いつつ否定してみる。さすがに『います』と答えて、根掘り葉掘り聞かれたら、何も言わないではいられない。
「そうなのか? ん~、だったら、誰か紹介してやろうか。俺の大学の後輩とか」
「い、いいですよ~。今は、恋愛より仕事ですっ!」
内心、自分に『嘘つき!』と叫ぶ。
「ふ~ん。まぁ、ほどほどにしとけよ~。気が付いたら相手がいなかった、なんていうパターンもあるからな。ほら、総務部のお局様みたいにな」
ニヤニヤしながら言う笠原さん。
その方に、なんか恨みでもあるんでしょうか。失礼ですな。ジロリとその方の代わりに睨む。