おデブだった幼馴染に再会したら、イケメンになっちゃってた件
第8章 先輩になった私と人気俳優の彼
四月になった。
初っ端、新人はうちのチームにやってくる。最初の三日間は、うちのチームで座学を受けて、その後、配属先とは異なる部署に一週間、現場研修に向かう。その後に配属先にいく。
三日間の研修は、私の仕事。去年までは本城さんがやってた仕事。
講師をしていただく先輩たちのスケジュールを抑え、座学用の資料も作った。と、いっても、去年、本城さんが作ってくれた、新人の私が使ったのを再利用するだけだけど。
うちに配属される予定なのは、院卒で私より年上の関根くん。どうも笠原さんの大学の後輩だったらしい。
が、ウザい。
まぁ、座学の時は大人しく真面目だったようだけど、うちのチームにきてからは、わからないことがあれば何でも聞いてくる。この前説明したよね? というようなことも何度も、確認してくる。間違われるよりはいいのかもしれないけど。
「神崎さん、人事ってどこですか」
「神崎さん、この資料はどうしたらいいですか?」
「神崎さん、経理に提出する伝票は」
「神崎さん、これなんですけど。」
……冷静になれ、私。
私も、入ったばかりの時は、本城さんや笠原さんに何度も聞きまくってたじゃないか。
しかし。
あの時は、二人にそれぞれに聞いてた。今の関根くんは、私にべったり。
……ウザすぎる。
顔には出さないようにはしてる。でも、そろそろ二週間。限界かもしれません。本城さん。
そして、休憩時間も一緒に行動しようとする。
お前は、女子か。一人で昼食もとれないのかっ!!
一人の時間を私にくださいっ!
今日は、なんとか笠原さんと一緒にランチに行った関根くん。
今のうちに、と、自分の席でお弁当食べながら、スマホでネット検索しまくる。
なぜなら、もうすぐ遼ちゃんの誕生日だから。実際。誕生日に渡せるとは思っていない。最近は、連ドラの撮影がおしているらしく、なかなか会えないでいるから。だから。ホワイトデーのお返しももらえていない。時折、連絡をもらえるだけ、まだいいんだって、今は思ってる。
せめてプレゼント用意して、L〇NEで用意してるのをアピールだけでもしたいなって思う。
それにしても、何がいいのか、さっぱりわからない。社会人に年目じゃ、そんなに高額なものなんてプレゼントできないし。
結局、クリスマスもプレゼント用意してなかったし(というか、年内に会えると思ってなかったし)。バレンタインも、チョコレートの半分は一緒に食べちゃったし(賞味期限ギリギリ)。
……思い返すと、なんか、まともにやってる日がない。
「普段、使ってもらえるもの……だけど、センスないしな」
眉間にシワよせて画面を睨む。
「神崎さん、眉間、すごいことになってますよ?」
覗き込んできたのは関根くん。笠原さんとのランチ、さすが男同士、関根くんは、あっという間に帰ってきてしまった。
「え。あ、うーん」
「何、悩んでるんですか?」
「あ、な、なんでもいいでしょ」
慌てて、スマホを隠す。
「怪しいですねぇ……ね、笠原さん」
一緒にいた笠原さんも、ニヤニヤしている。
「神崎、あれか。男か」
な、なんで、わかるっ!? つい、身体が固まってしまう。
「えー、神崎さん、彼氏いるんですかー?」
「か、笠原さんっ!!」
「俺は会ったことねーけどな。あのクリスマスのやつだろ? まだ付き合ってるなら」
「か、勘弁してくださいよ~。」
恥ずかしすぎて、顔から火が出る。
「ふ~ん」
思わず、うつむいた私の頭の上から、ちょっと意地悪な感じの声。見上げると、関根くんの顔が近い。
「ぎゃっ!?」
「そんな、驚かなくても~」
それでもやっぱり、意地悪な笑顔。
な、なんなんだ、こいつは。嫌な感じっ!
初っ端、新人はうちのチームにやってくる。最初の三日間は、うちのチームで座学を受けて、その後、配属先とは異なる部署に一週間、現場研修に向かう。その後に配属先にいく。
三日間の研修は、私の仕事。去年までは本城さんがやってた仕事。
講師をしていただく先輩たちのスケジュールを抑え、座学用の資料も作った。と、いっても、去年、本城さんが作ってくれた、新人の私が使ったのを再利用するだけだけど。
うちに配属される予定なのは、院卒で私より年上の関根くん。どうも笠原さんの大学の後輩だったらしい。
が、ウザい。
まぁ、座学の時は大人しく真面目だったようだけど、うちのチームにきてからは、わからないことがあれば何でも聞いてくる。この前説明したよね? というようなことも何度も、確認してくる。間違われるよりはいいのかもしれないけど。
「神崎さん、人事ってどこですか」
「神崎さん、この資料はどうしたらいいですか?」
「神崎さん、経理に提出する伝票は」
「神崎さん、これなんですけど。」
……冷静になれ、私。
私も、入ったばかりの時は、本城さんや笠原さんに何度も聞きまくってたじゃないか。
しかし。
あの時は、二人にそれぞれに聞いてた。今の関根くんは、私にべったり。
……ウザすぎる。
顔には出さないようにはしてる。でも、そろそろ二週間。限界かもしれません。本城さん。
そして、休憩時間も一緒に行動しようとする。
お前は、女子か。一人で昼食もとれないのかっ!!
一人の時間を私にくださいっ!
今日は、なんとか笠原さんと一緒にランチに行った関根くん。
今のうちに、と、自分の席でお弁当食べながら、スマホでネット検索しまくる。
なぜなら、もうすぐ遼ちゃんの誕生日だから。実際。誕生日に渡せるとは思っていない。最近は、連ドラの撮影がおしているらしく、なかなか会えないでいるから。だから。ホワイトデーのお返しももらえていない。時折、連絡をもらえるだけ、まだいいんだって、今は思ってる。
せめてプレゼント用意して、L〇NEで用意してるのをアピールだけでもしたいなって思う。
それにしても、何がいいのか、さっぱりわからない。社会人に年目じゃ、そんなに高額なものなんてプレゼントできないし。
結局、クリスマスもプレゼント用意してなかったし(というか、年内に会えると思ってなかったし)。バレンタインも、チョコレートの半分は一緒に食べちゃったし(賞味期限ギリギリ)。
……思い返すと、なんか、まともにやってる日がない。
「普段、使ってもらえるもの……だけど、センスないしな」
眉間にシワよせて画面を睨む。
「神崎さん、眉間、すごいことになってますよ?」
覗き込んできたのは関根くん。笠原さんとのランチ、さすが男同士、関根くんは、あっという間に帰ってきてしまった。
「え。あ、うーん」
「何、悩んでるんですか?」
「あ、な、なんでもいいでしょ」
慌てて、スマホを隠す。
「怪しいですねぇ……ね、笠原さん」
一緒にいた笠原さんも、ニヤニヤしている。
「神崎、あれか。男か」
な、なんで、わかるっ!? つい、身体が固まってしまう。
「えー、神崎さん、彼氏いるんですかー?」
「か、笠原さんっ!!」
「俺は会ったことねーけどな。あのクリスマスのやつだろ? まだ付き合ってるなら」
「か、勘弁してくださいよ~。」
恥ずかしすぎて、顔から火が出る。
「ふ~ん」
思わず、うつむいた私の頭の上から、ちょっと意地悪な感じの声。見上げると、関根くんの顔が近い。
「ぎゃっ!?」
「そんな、驚かなくても~」
それでもやっぱり、意地悪な笑顔。
な、なんなんだ、こいつは。嫌な感じっ!