婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「アークライト侯爵の後妻か……手紙を隠したのはアレクシアからだと気付いたからだろうな。ブラックウェル公爵夫人からの手紙に手を出すとはいい度胸だな」
「私は公爵家に嫁いだと言っても、王太子殿下の怒りを買った身ですから。もし露見しても、なにも出できないと思ったのでしょう」
元々アレクシアを下に見ていたのだ。今さら大した罪悪感はなさそうだ。
「アレクシアの冤罪も近い内うち晴らさないといけないな」
「……それは無理じゃないでしょうか。王太子殿下はオーレリア様の件がなくても、私を嫌っていたようですし、王都で私の評判は地に落ちていますから」
アレクシアとしては、今のままでいいと思っている。
悪評はそのうち忘れられるだろうし、この期に及んでイライアスと関わり合いになんてなりたくない。
できれば二度と会いたくないくらいだ。幸い王都には立ち入るなと言われている身なので、無礼にはならないはず。
しかしメイナードは納得できないようだった。
「気持ちは分からないでもないが、名誉の問題だ。俺はアレクシアが不名誉な扱いを受けるのは許せない。たとえ王太子だとしても、罪のない人間を不当に扱うのは許しがたい」
メイナードの声には力がこもっていた。
「ありがとうございます。私のために怒ってくださって。メイナード様は、正義感が強いんですね」
「……正義感だけで言ってるんじゃない」
「私は公爵家に嫁いだと言っても、王太子殿下の怒りを買った身ですから。もし露見しても、なにも出できないと思ったのでしょう」
元々アレクシアを下に見ていたのだ。今さら大した罪悪感はなさそうだ。
「アレクシアの冤罪も近い内うち晴らさないといけないな」
「……それは無理じゃないでしょうか。王太子殿下はオーレリア様の件がなくても、私を嫌っていたようですし、王都で私の評判は地に落ちていますから」
アレクシアとしては、今のままでいいと思っている。
悪評はそのうち忘れられるだろうし、この期に及んでイライアスと関わり合いになんてなりたくない。
できれば二度と会いたくないくらいだ。幸い王都には立ち入るなと言われている身なので、無礼にはならないはず。
しかしメイナードは納得できないようだった。
「気持ちは分からないでもないが、名誉の問題だ。俺はアレクシアが不名誉な扱いを受けるのは許せない。たとえ王太子だとしても、罪のない人間を不当に扱うのは許しがたい」
メイナードの声には力がこもっていた。
「ありがとうございます。私のために怒ってくださって。メイナード様は、正義感が強いんですね」
「……正義感だけで言ってるんじゃない」