婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
ルーサーはなにもない宙に手を翳す。するとそこに分厚い書類の束が現れた。
「こちらがお望みの証拠です。正式なもので、実は裁判所に提出済みです」
「な、なんだと!」
イライアスがルーサーに突撃して、書類を奪い取る。
「これは……」
乱暴に書類をめくり、崩れ落ちるように床に膝をついた。
「すべてばれてしまっているんですよ。もう大分前からオーレリア妃と共謀して王位乗っ取りを企んでいたことは。国王に毒を盛り元から患っていた病の進行を早める筋書だったのでしょう。アレクシア様を追放してから、随分好き勝手していたようですね」
ルーサーがどこか馬鹿にしたように告げる。
「ち、違う……俺はそんなことは……」
「実行犯は王太子妃殿下かもしれませんね。ですが王太子殿下も、国王陛下の病を治すよりも、王位継承の方に乗りき気だったとの証言がありますよ」
「それは……お前は……何者だ?」
膝をついたイライアスが、憎悪の目でルーサーを見上げる。
ルーサーは面白そうに見返しながら、応えた。
「俺ですか? オールディス王家の一族ですよ。イライアス王太子とも血縁になりますね」
「は? ……なにを言っている? そんな話は聞いたことがない!」
イライアスは驚愕したものの、直ぐに馬鹿にしたように口元を歪める。
「それにお前は王家の色をまるで継いでいない。どこにも黄金がないではないか!」
「こちらがお望みの証拠です。正式なもので、実は裁判所に提出済みです」
「な、なんだと!」
イライアスがルーサーに突撃して、書類を奪い取る。
「これは……」
乱暴に書類をめくり、崩れ落ちるように床に膝をついた。
「すべてばれてしまっているんですよ。もう大分前からオーレリア妃と共謀して王位乗っ取りを企んでいたことは。国王に毒を盛り元から患っていた病の進行を早める筋書だったのでしょう。アレクシア様を追放してから、随分好き勝手していたようですね」
ルーサーがどこか馬鹿にしたように告げる。
「ち、違う……俺はそんなことは……」
「実行犯は王太子妃殿下かもしれませんね。ですが王太子殿下も、国王陛下の病を治すよりも、王位継承の方に乗りき気だったとの証言がありますよ」
「それは……お前は……何者だ?」
膝をついたイライアスが、憎悪の目でルーサーを見上げる。
ルーサーは面白そうに見返しながら、応えた。
「俺ですか? オールディス王家の一族ですよ。イライアス王太子とも血縁になりますね」
「は? ……なにを言っている? そんな話は聞いたことがない!」
イライアスは驚愕したものの、直ぐに馬鹿にしたように口元を歪める。
「それにお前は王家の色をまるで継いでいない。どこにも黄金がないではないか!」