婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「ただ生まれた子は体中、黒いものに覆われていました。そのためオールディス王家の血筋でありながら、隠された存在になったのです」
「黒いもの……呪いか?」
「はい。この世界ではそう言われているものです。しかし実際は呪いではなく、異界の者の証です。つまり今王太子殿下の体にあるその文様も、メイナード様に有った文様も異界の力の表れなのですよ」
「う、嘘だ……今の話では俺はその王子の直系というわけではないではないか!」
「そうですね。子孫はこの俺ですから。俺の家系は王家の庇護を受けながらも、その存在を一切隠しひっそりと生きてきたんですよ。ある役割を果たしながらね」
(やっぱり……)
アレクシアは溜息を吐いた。
ルーサーこそが、異界の姫の血を引く、王家の隠された子供だったのだ。
以前から不審に感じていた彼の人並み外れた魔力の強さも、特殊な血筋だと言えば説明がつく。
そして王家の人間だから、王女の子であるメイナードに近づくことができた。
「大きな問題はなかったのですが、状況が変わったのが前国王の王女がが誕生したときです。王女の体の一部に黒い紋様が有った。不思議なことに突然異界の力が移動したんです。そして本来その力を受け継ぐはずだった俺の母には現れなかった。母は普通の女性として今も生活しています」
謁見の間に沈黙が訪れる。
誰もが困惑しているのだ。
「原因は……分かっていないのですか?」
「黒いもの……呪いか?」
「はい。この世界ではそう言われているものです。しかし実際は呪いではなく、異界の者の証です。つまり今王太子殿下の体にあるその文様も、メイナード様に有った文様も異界の力の表れなのですよ」
「う、嘘だ……今の話では俺はその王子の直系というわけではないではないか!」
「そうですね。子孫はこの俺ですから。俺の家系は王家の庇護を受けながらも、その存在を一切隠しひっそりと生きてきたんですよ。ある役割を果たしながらね」
(やっぱり……)
アレクシアは溜息を吐いた。
ルーサーこそが、異界の姫の血を引く、王家の隠された子供だったのだ。
以前から不審に感じていた彼の人並み外れた魔力の強さも、特殊な血筋だと言えば説明がつく。
そして王家の人間だから、王女の子であるメイナードに近づくことができた。
「大きな問題はなかったのですが、状況が変わったのが前国王の王女がが誕生したときです。王女の体の一部に黒い紋様が有った。不思議なことに突然異界の力が移動したんです。そして本来その力を受け継ぐはずだった俺の母には現れなかった。母は普通の女性として今も生活しています」
謁見の間に沈黙が訪れる。
誰もが困惑しているのだ。
「原因は……分かっていないのですか?」