婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「私が慈悲深い人間だと本当に思っているのなら、なぜ王太子殿下が追放の命令を下したときに止めなかったのですか? 冤罪だと訴えなかったのはなぜ? あなたの言うことなら王太子殿下は聞いたはずなのに、見て見ぬふりをした」
「それは……その頃私には何の権限もありませんでした」
「権限が無ければ、何もしないのですか? それが冷酷なことだと思わないのですか?……多分あなたは他人の気持ちが分からないのでしょうね。ですからはっきり言います。私は王太子殿下とあなたに怒りを感じています。庇う気は一切ありません。ご自分の罪をしっかりと償ってください」
オーレリアはひどく驚いているようだった。アレクシアが突き放すと思っていなかったのだろうか。
茫然としたまま騎士に拘束されて喚くイライアスと共に謁見の間を連れ出された。
「大丈夫か?」
「メイナード様……はい、私に助けを求めて来たのには驚きましたけど」
「動揺させて悪かった。詳しく説明するから」
「はい」
心配そうなメイナードに応えていると、甲高い声が割り込んできた。
「アレクシア! どうしてオーレリア妃を庇わなかったの?」
パメラだった。彼女はアークライト侯爵の制止を振り切り、アレクシアの下に向かってくる。
「お継母さま……」
「なんて、薄情な娘なの?」
「それは……その頃私には何の権限もありませんでした」
「権限が無ければ、何もしないのですか? それが冷酷なことだと思わないのですか?……多分あなたは他人の気持ちが分からないのでしょうね。ですからはっきり言います。私は王太子殿下とあなたに怒りを感じています。庇う気は一切ありません。ご自分の罪をしっかりと償ってください」
オーレリアはひどく驚いているようだった。アレクシアが突き放すと思っていなかったのだろうか。
茫然としたまま騎士に拘束されて喚くイライアスと共に謁見の間を連れ出された。
「大丈夫か?」
「メイナード様……はい、私に助けを求めて来たのには驚きましたけど」
「動揺させて悪かった。詳しく説明するから」
「はい」
心配そうなメイナードに応えていると、甲高い声が割り込んできた。
「アレクシア! どうしてオーレリア妃を庇わなかったの?」
パメラだった。彼女はアークライト侯爵の制止を振り切り、アレクシアの下に向かってくる。
「お継母さま……」
「なんて、薄情な娘なの?」