婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「それは王太子の体を覆うあの文様がなんだかを知っていたからです。さっき俺はいかにも事情を知っている体で話してましたけど、実はほとんどリリー子爵から授かった知識なんですよ」
「そうなんですか?」
思わずメイナードの方を向く。彼は頷き補足してくれた。
「俺もルーサーも、王家の隠された子について一切知らなったんだ。ルーサーの両親は俺たちが幼い頃事故で亡くなってしまった。唯一事情を知っていた母上はあえて黙っていたのだと思う」
「なぜ大切なことを言わなかったのでしょうか」
「伝えて余計な不安を与える必要がないと思ったのだろう。俺の体にまで紋様が出るとは予想していなかったのだと思う。この紋様は異界の魔力の力を得た証だそうだ。人の体にこの魔力は強すぎるからから表に出て来てしまう」
「異界の魔力? メイナード様も王太子殿下もなんらかのきっかけで、魔力に目覚めたということですか?」
「恐らく。そのきっかけが何であるかはまだ研究中だそうだが。俺の母が弱っていったのは、異界の魔力に目覚めたものの体が耐えられなかったからだろう。母上には強い魔力を扱うだけの体力がなかったようだ」
メイナードはそう言いながら目を伏せた。早くに亡くなった母親に想いを馳せているのかもしれない。
声をかけられないでいると、メイナードが顔を上げて切り替えるように言った。
「そうなんですか?」
思わずメイナードの方を向く。彼は頷き補足してくれた。
「俺もルーサーも、王家の隠された子について一切知らなったんだ。ルーサーの両親は俺たちが幼い頃事故で亡くなってしまった。唯一事情を知っていた母上はあえて黙っていたのだと思う」
「なぜ大切なことを言わなかったのでしょうか」
「伝えて余計な不安を与える必要がないと思ったのだろう。俺の体にまで紋様が出るとは予想していなかったのだと思う。この紋様は異界の魔力の力を得た証だそうだ。人の体にこの魔力は強すぎるからから表に出て来てしまう」
「異界の魔力? メイナード様も王太子殿下もなんらかのきっかけで、魔力に目覚めたということですか?」
「恐らく。そのきっかけが何であるかはまだ研究中だそうだが。俺の母が弱っていったのは、異界の魔力に目覚めたものの体が耐えられなかったからだろう。母上には強い魔力を扱うだけの体力がなかったようだ」
メイナードはそう言いながら目を伏せた。早くに亡くなった母親に想いを馳せているのかもしれない。
声をかけられないでいると、メイナードが顔を上げて切り替えるように言った。