婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「事情を知るリリー子爵は、イライアスの体の紋様が病ではないと知っていた。だから治せないと言ったんだ。その態度が気に障ったのか城に軟禁されたが、滞在中に王太子夫妻が良からぬことを企んでいることに気付いたらしい。告発する為に逃亡を決意したそうだ」
「それは謁見の間で言っていた、国王陛下に毒を飲ませたという件ですか? 叔父様が調べたことだったのですね?」
メイナードは頷いた。
「俺の手の者からも、国王の病状に不信感を持つ者が増えて来ていると報告して来ていた。だからリリー子爵が調べなくても時間の問題だっただろう。イライアスは王位のっとりを企む大胆さを持ちながら、計画はずさんだったようで直ぐに露見した。もっとも本当に何も知らなかったのかもしれないが」
含みを持つ口ぶりにが何を意味するのか、アレクシアにも分かっていた。
(オーレリア様が主導していた可能性が高いのだわ)
王太子妃の地位を手に入れた彼女が、なぜそんな危険を冒そうとしたのだろう。
権力欲に取りつかれた人間は、どこまでも貪欲になるのだろうか。
王太子妃として堂々と座っていた彼女の姿を思い出すと、暗い気持ちになる。
(王太子殿下との関係はどうなるのかしら。あの二人の間には本当に愛は有ったの?)
物語のような運命の恋人と呼ばれたふたり。けれど、イライアスに異界の血が混じっていると知った時のオーレリアは、酷い拒否反応を示していた。
「それは謁見の間で言っていた、国王陛下に毒を飲ませたという件ですか? 叔父様が調べたことだったのですね?」
メイナードは頷いた。
「俺の手の者からも、国王の病状に不信感を持つ者が増えて来ていると報告して来ていた。だからリリー子爵が調べなくても時間の問題だっただろう。イライアスは王位のっとりを企む大胆さを持ちながら、計画はずさんだったようで直ぐに露見した。もっとも本当に何も知らなかったのかもしれないが」
含みを持つ口ぶりにが何を意味するのか、アレクシアにも分かっていた。
(オーレリア様が主導していた可能性が高いのだわ)
王太子妃の地位を手に入れた彼女が、なぜそんな危険を冒そうとしたのだろう。
権力欲に取りつかれた人間は、どこまでも貪欲になるのだろうか。
王太子妃として堂々と座っていた彼女の姿を思い出すと、暗い気持ちになる。
(王太子殿下との関係はどうなるのかしら。あの二人の間には本当に愛は有ったの?)
物語のような運命の恋人と呼ばれたふたり。けれど、イライアスに異界の血が混じっていると知った時のオーレリアは、酷い拒否反応を示していた。