婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
「そうかもしれないな。ランクの高い強く賢い魔獣は魔獣は花の恐ろしさ理解して近づかないそうだが、弱い魔物は誘惑に負けて簡単におびき寄せられると言われている。あの鳥は特に敏感で久々に咲いた花の匂いに抗えなかったのだろう」
「そうなのですね。私には匂いはあまり感じませんけど、たしかに不思議な魅力がある花だとは思います。特に月明りの下では美しいですね」
少し風が出て来た。
メイナードは上着を脱ぎ、アレクシアの肩にふわりとかける。
「とても美しいと思う。だが母上はこの花が苦手だったそうだ。だから父上は母上が嫁いで来たときにすべての花をここに移し変えたんだ。そして間の森近くの砦で間の森を監視するようになった。それ以来城の庭に咲くことはなかったがアレクシアが来てから少しずつ芽吹くようになった」
「今頃はもっと咲いているかもしれませんね、城に帰るのが楽しみです」
「ああ。そうだな。あともう少しで俺たちの家に帰ることが出来る、その時は……」
メイナードはアレクシアをそっと抱き寄せた。
「本当の夫婦になろう、そして家族で幸せに暮らそう」
耳元で甘く囁かれる。
アレクシアは幸せな気持ちで夫を見つめる。
「はい、メイナード様。私たち、きっと幸せになれます」
優しいキスが降りてくる。
美しい月明り、どこまでも優しい夫の眼差し、温かい腕。
夜の闇でも少しも怖くなかった。
END
「そうなのですね。私には匂いはあまり感じませんけど、たしかに不思議な魅力がある花だとは思います。特に月明りの下では美しいですね」
少し風が出て来た。
メイナードは上着を脱ぎ、アレクシアの肩にふわりとかける。
「とても美しいと思う。だが母上はこの花が苦手だったそうだ。だから父上は母上が嫁いで来たときにすべての花をここに移し変えたんだ。そして間の森近くの砦で間の森を監視するようになった。それ以来城の庭に咲くことはなかったがアレクシアが来てから少しずつ芽吹くようになった」
「今頃はもっと咲いているかもしれませんね、城に帰るのが楽しみです」
「ああ。そうだな。あともう少しで俺たちの家に帰ることが出来る、その時は……」
メイナードはアレクシアをそっと抱き寄せた。
「本当の夫婦になろう、そして家族で幸せに暮らそう」
耳元で甘く囁かれる。
アレクシアは幸せな気持ちで夫を見つめる。
「はい、メイナード様。私たち、きっと幸せになれます」
優しいキスが降りてくる。
美しい月明り、どこまでも優しい夫の眼差し、温かい腕。
夜の闇でも少しも怖くなかった。
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