婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
ルイを揉めごとに巻き込みたくない。追放の命令におとなしく従っている一番の理由は、ルイに迷惑をかけたくないからだと言うのに。
父の監視の下では大した動きはできないとは思うが心配だ。
「公爵家での暮らしも心配しないでくださいね。私が側で守りますから! 恐ろしい呪われ公爵にだって立ち向かってみせますよ!」
アレクシアを励まそうとしているのか、ディナは普段からは考えられない強気な発言をする。
その気持ちはとても嬉しかったが、誤解は正しておかなくてはならない。
「ありがとう。でも私は公爵様をそれほど恐れてはいないの。むしろ申し訳ない気持ちが大きいのよ」
「えっ! どういう意味ですか?」
ディナが目を瞬く。
「この縁談が不本意なのは、こちら側だけではないということ。きっとブラックウェル公爵家でも突然の王命で困っていると思うわ」
「えっ! アレクシア様との結婚が不満ってことですか?」
ディナは心底驚いた声を上げた。同時にあからさまな不満が表情に表れる。
「それはそうでしょう。公爵からしたら顔も合わせたことのない相手を、突然押し付けられたのだから」
「そ、そんな! 呪われ公爵に嫁ぎたがる令嬢なんて、没落した男爵家にだっていないですよ。妻を娶れるだけでも幸なのにアレクシア様を拒否するなんて」
父の監視の下では大した動きはできないとは思うが心配だ。
「公爵家での暮らしも心配しないでくださいね。私が側で守りますから! 恐ろしい呪われ公爵にだって立ち向かってみせますよ!」
アレクシアを励まそうとしているのか、ディナは普段からは考えられない強気な発言をする。
その気持ちはとても嬉しかったが、誤解は正しておかなくてはならない。
「ありがとう。でも私は公爵様をそれほど恐れてはいないの。むしろ申し訳ない気持ちが大きいのよ」
「えっ! どういう意味ですか?」
ディナが目を瞬く。
「この縁談が不本意なのは、こちら側だけではないということ。きっとブラックウェル公爵家でも突然の王命で困っていると思うわ」
「えっ! アレクシア様との結婚が不満ってことですか?」
ディナは心底驚いた声を上げた。同時にあからさまな不満が表情に表れる。
「それはそうでしょう。公爵からしたら顔も合わせたことのない相手を、突然押し付けられたのだから」
「そ、そんな! 呪われ公爵に嫁ぎたがる令嬢なんて、没落した男爵家にだっていないですよ。妻を娶れるだけでも幸なのにアレクシア様を拒否するなんて」