婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
同じ感想を持っていたアレクシアはすぐに頷く。
「貴族たちの社交の場の役割は果たしていないようだわ」
大勢いた騎士はこの城と国境を守る者たちだろう。
「ねえディナ、公爵閣下の姿を見た?」
「いえ。私はずっと頭を下げて控えていましたので。どんな見目の方でしたか?」
「背が高く騎士らしい体つきをされていたけれど、仮面をつけていたので顔は分からなかったの」
ディナが顔を曇らせた。
「ではやはり噂は真実なのですね。声を聞いた限りでは呪われているような感じはしなかったのですが」
「分からない。ただ顔や肌を極力隠したいと思っているのは間違いなさそう」
あの仮面と服の下には、本当に呪いだと言われている痣があるのだろうか。
ついそんな想像をしてしまい、慌てて振り払う。
(呪いと決めつけるのは止めると決めたばかりなのに)
「妻になる女性に顔を見せないのは普通なら失礼になりますよね。それでも仮面を外さないのだからきっと素顔には秘密があるんですよ!」
「でも、病で苦しんでいるようには思えないのよね」
身を翻し去っていく足取りはとてもしっかりしていて、弱っている様子はなかった。
「仮面をつけているとは知らなかったから驚いたけれど、きっと事情があるのよ。婚礼の儀を終えたらその理由を話してくれるかもしれないわ」
「貴族たちの社交の場の役割は果たしていないようだわ」
大勢いた騎士はこの城と国境を守る者たちだろう。
「ねえディナ、公爵閣下の姿を見た?」
「いえ。私はずっと頭を下げて控えていましたので。どんな見目の方でしたか?」
「背が高く騎士らしい体つきをされていたけれど、仮面をつけていたので顔は分からなかったの」
ディナが顔を曇らせた。
「ではやはり噂は真実なのですね。声を聞いた限りでは呪われているような感じはしなかったのですが」
「分からない。ただ顔や肌を極力隠したいと思っているのは間違いなさそう」
あの仮面と服の下には、本当に呪いだと言われている痣があるのだろうか。
ついそんな想像をしてしまい、慌てて振り払う。
(呪いと決めつけるのは止めると決めたばかりなのに)
「妻になる女性に顔を見せないのは普通なら失礼になりますよね。それでも仮面を外さないのだからきっと素顔には秘密があるんですよ!」
「でも、病で苦しんでいるようには思えないのよね」
身を翻し去っていく足取りはとてもしっかりしていて、弱っている様子はなかった。
「仮面をつけているとは知らなかったから驚いたけれど、きっと事情があるのよ。婚礼の儀を終えたらその理由を話してくれるかもしれないわ」