婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
ルーサーが王都に出向いて身辺を調べたときにも、耳に入ってこなかった情報だ。たしかアークライト侯爵家のメイドと接触して尋ねたといっていた。
侯爵令嬢と直接かかわることがない立場のメイドだったとしても、屋敷勤めの者が知らないのは不自然だ。
光魔法や治癒魔法は希少価値が高く、周りに誇れる力だからだ。
普通ならば当主が大々的に周囲に触れて回り、娘の価値を上げるはず。ということは。
(故意に隠していたのだろうな。人前で魔法を使う機会もないようにしていたのだろう)
アレクシアの環境はあまりよくないものだったようだから、力を隠していたことにもなんらかの意図があるのかもしれない。
ただ本人は、力を隠すつもりもないようだ。
ブラックウェル公爵家で治癒魔法の使い手を必要としていると聞くと、手伝いを申し出てきたくらいだ。
正直、喉から手が出るほど欲しい能力だったが、彼女を危険な砦に連れて行くわけにはいかない。
護衛を付けたとしても、絶対に無事とは言い切れないのだ。
だから申し出を断ったのだが、アレクシアが悲しそうな顔をしたのが気になった。
かといって、気の利いた台詞が言えるメイナードではないし、恐れている相手に、しつこく声をかけられては迷惑だろう。
メイナードはそう結論付けて、早々に会話を切り上げ、部屋を後にした。
侯爵令嬢と直接かかわることがない立場のメイドだったとしても、屋敷勤めの者が知らないのは不自然だ。
光魔法や治癒魔法は希少価値が高く、周りに誇れる力だからだ。
普通ならば当主が大々的に周囲に触れて回り、娘の価値を上げるはず。ということは。
(故意に隠していたのだろうな。人前で魔法を使う機会もないようにしていたのだろう)
アレクシアの環境はあまりよくないものだったようだから、力を隠していたことにもなんらかの意図があるのかもしれない。
ただ本人は、力を隠すつもりもないようだ。
ブラックウェル公爵家で治癒魔法の使い手を必要としていると聞くと、手伝いを申し出てきたくらいだ。
正直、喉から手が出るほど欲しい能力だったが、彼女を危険な砦に連れて行くわけにはいかない。
護衛を付けたとしても、絶対に無事とは言い切れないのだ。
だから申し出を断ったのだが、アレクシアが悲しそうな顔をしたのが気になった。
かといって、気の利いた台詞が言えるメイナードではないし、恐れている相手に、しつこく声をかけられては迷惑だろう。
メイナードはそう結論付けて、早々に会話を切り上げ、部屋を後にした。