婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
ディナに目配せしてから、棚に近づきざっと確認する。
(処理済のカリスがあるわ。あれを使おう)
てきぱきと素材を吟味して、作業台に並べる。
ディナに手伝ってもらいながら、洗って刻み天日干しにしてあったカリスの実を煎る。その後水で成分を溶かし、日陰干しにしてあるカリスの葉を煎じたものと合わせた。
途中聖水を加えると澄んだ液体ができ上がる。最後に魔力を込めて完成。
「できました、疲労回復薬です!」
アレクシアの作業をじっと見守っていたマナカが近づき、薬を手に取った。
少し離して眺めたり匂いを嗅いだり、最後には指で掬って舐める。
「これは……」。
マナカは目を見開く。
「どうですか?」
(多分大丈夫だと思うんだけど)
それでも少し緊張しながら答えを待つ。
「うまくできてるよ、手際がよくないからどうかと思ったけど、品質はいいよ。さすがにリリー家の一族だね、先ほどは頭ごなしにひどいことを言って悪かった、謝るよ」
マナカは深く頭を下げる。
「いえ、分かってもらえてよかったです。どうか頭を上げてください」
経験は少ないながらも知識はあると認めてもらえたようだ。ほっとしていると、黙って成り行きを見守っていたルーサーが割り込んできた。
「どうやら大丈夫そうですので、私はこれで失礼します」
「ええ、忙しいのに、案内してくれてありがとう」
(処理済のカリスがあるわ。あれを使おう)
てきぱきと素材を吟味して、作業台に並べる。
ディナに手伝ってもらいながら、洗って刻み天日干しにしてあったカリスの実を煎る。その後水で成分を溶かし、日陰干しにしてあるカリスの葉を煎じたものと合わせた。
途中聖水を加えると澄んだ液体ができ上がる。最後に魔力を込めて完成。
「できました、疲労回復薬です!」
アレクシアの作業をじっと見守っていたマナカが近づき、薬を手に取った。
少し離して眺めたり匂いを嗅いだり、最後には指で掬って舐める。
「これは……」。
マナカは目を見開く。
「どうですか?」
(多分大丈夫だと思うんだけど)
それでも少し緊張しながら答えを待つ。
「うまくできてるよ、手際がよくないからどうかと思ったけど、品質はいいよ。さすがにリリー家の一族だね、先ほどは頭ごなしにひどいことを言って悪かった、謝るよ」
マナカは深く頭を下げる。
「いえ、分かってもらえてよかったです。どうか頭を上げてください」
経験は少ないながらも知識はあると認めてもらえたようだ。ほっとしていると、黙って成り行きを見守っていたルーサーが割り込んできた。
「どうやら大丈夫そうですので、私はこれで失礼します」
「ええ、忙しいのに、案内してくれてありがとう」