婚約破棄されたので薬師になったら、公爵様の溺愛が待っていました
メイナードがアレクシアに対して、深く頭を下げたのだ。
(な、なんで?)
わけが分からない。いったいどういう反応をすればいいのか。
アレクシアの動揺に気づいていないであろうメイナードは顔を上げ、口を開く。
「あなたの尽力に感謝する」
「え……」
「前線で戦う騎士たちの多くは、常日ごろ傷を抱えている。しかしあなたの薬でかなり苦痛が緩和できている」
メイナードは至極真面目に、前線の兵士たちの様子を語り出す。
彼の話によれば、最近とくに魔獣の出現が増えており、戦う機会が多くなっている。そのためアレクシアの薬は大活躍しているとのことだった。
ひと通り話し終わると、メイナードは改まった様子でアレクシアを見つめる。
仮面越しで表情は見えないものの、彼が自分に悪い印象を持っていないようなのは、感じ取れた。
「今回の件の礼をしたい。希望のものがあればなんでも言ってくれ」
「欲しいものですか? いえ、とくには……」
元々それほど物に対する執着はないうえに、突然聞かれても答えられない。
「遠慮は不要だ。王都でしか手に入らないものでも、大丈夫だ。なんでも言ってくれ」
メイナードはやけに熱心だった。
(どうしてこんなに贈り物をしたがるのかしら)
褒美だとしても、ルーサーに命じて適当に手配すればいいことなのに。
(な、なんで?)
わけが分からない。いったいどういう反応をすればいいのか。
アレクシアの動揺に気づいていないであろうメイナードは顔を上げ、口を開く。
「あなたの尽力に感謝する」
「え……」
「前線で戦う騎士たちの多くは、常日ごろ傷を抱えている。しかしあなたの薬でかなり苦痛が緩和できている」
メイナードは至極真面目に、前線の兵士たちの様子を語り出す。
彼の話によれば、最近とくに魔獣の出現が増えており、戦う機会が多くなっている。そのためアレクシアの薬は大活躍しているとのことだった。
ひと通り話し終わると、メイナードは改まった様子でアレクシアを見つめる。
仮面越しで表情は見えないものの、彼が自分に悪い印象を持っていないようなのは、感じ取れた。
「今回の件の礼をしたい。希望のものがあればなんでも言ってくれ」
「欲しいものですか? いえ、とくには……」
元々それほど物に対する執着はないうえに、突然聞かれても答えられない。
「遠慮は不要だ。王都でしか手に入らないものでも、大丈夫だ。なんでも言ってくれ」
メイナードはやけに熱心だった。
(どうしてこんなに贈り物をしたがるのかしら)
褒美だとしても、ルーサーに命じて適当に手配すればいいことなのに。