政略結婚ですが、身ごもったら極上御曹司に蕩けるほど愛されました
生花以外にも、お茶やバレエなど住吉家の娘に相応しいとされる習い事は小さい頃からたくさんやった。お花以外はそれなりに続けたけれど、本当にそれなりで、これといって身になることはなかった。
逆に姉の方はなにをやっても目を見張るものがあった。いつも先生に"才能あり"なんて言われたものだ。
「あら残念ね。でも生花には年齢は関係ないし、お花が好きならまたやってみられたら」
女性の言葉に柚子はため息をついた。
「本当に壊滅的にダメなんです。今も時々お花を買ってきて、家に飾るんですけど、それさえもうまくいかなくて……」
「ふふふ、そう堅苦しく考える必要はありません。ただあなたが楽しめばいいのですよ。お花は生ける時の心が出ると言いますからね」
そう言って女性は会場を後にした。
柚子は彼女に頭を下げて見送ってから、また良子の作品を見つめた。
気品があって華やかで、どこか自信に満ち溢れている。きっと姉もこんな風に花を生けるのだろう。
……そしてきっと自分は、一生こんな風に花を生けることはできないのだ。
逆に姉の方はなにをやっても目を見張るものがあった。いつも先生に"才能あり"なんて言われたものだ。
「あら残念ね。でも生花には年齢は関係ないし、お花が好きならまたやってみられたら」
女性の言葉に柚子はため息をついた。
「本当に壊滅的にダメなんです。今も時々お花を買ってきて、家に飾るんですけど、それさえもうまくいかなくて……」
「ふふふ、そう堅苦しく考える必要はありません。ただあなたが楽しめばいいのですよ。お花は生ける時の心が出ると言いますからね」
そう言って女性は会場を後にした。
柚子は彼女に頭を下げて見送ってから、また良子の作品を見つめた。
気品があって華やかで、どこか自信に満ち溢れている。きっと姉もこんな風に花を生けるのだろう。
……そしてきっと自分は、一生こんな風に花を生けることはできないのだ。