政略結婚ですが、身ごもったら極上御曹司に蕩けるほど愛されました
 でも柚子はその思いを、意識して頭の隅に追いやった。
 今日だけはズルい自分になると決めた。
 彼の勘違いにつけ込んで、愛し合って結婚した幸せな夫婦のように過ごすのだ。
 本当に、本当に、ズルい、最低なことだとはわかっているけれど、そうしないと次へは進めない、柚子はそんな気にすらなっていた
「今日はとっても気分がいいの。……気持ちいい」
 彼を安心させるようにそう言うと、翔吾も嬉しそうに微笑んだ。
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