政略結婚ですが、身ごもったら極上御曹司に蕩けるほど愛されました
「そうだったかな」
「そうだよ! お母さんたちも感心してたじゃない!」
あの時はさすがはお姉ちゃん!と柚子は自慢に思ったものだ。
でもやっぱり翔吾はピンとこないようだった。
「覚えてないな」
そして後ろにある土産物屋に視線を移した。
「あ、ぬいぐるみがある。そういえば柚子あの時、ぬいぐるみを欲しがったよな。しかもちょっと変なやつ」
そう言って翔吾は、なにかを思い出したように噴き出して、肩を揺らして笑い出した。
「え⁉︎ そ、そうだったかな……」
「そうだよ! イルカとかジンベイザメとかかわいいのはいっぱいあるのに、なぜかイカを欲しがったんだ。それもでっかいやつ!」
そうだったかなと言いながら柚子はその出来事をよく覚えていた。
自分と同じくらいの大きさのダイオウイカのぬいぐるみが欲しくてたまらなくなってしまっておねだりしたのだ。
そんなもの……と、母も姉も渋るなか、翔吾だけがいいじゃないかと言ってくれて、無事に買ってもらうことができた。
すごく、すごく嬉しかった。
「め、目が、かわいかったのよ。ぎょろっとしてて……ちゃんと大事にしてたんだよ。ずっと一緒に寝てたんだから。結婚した時に持ってくるかどうか迷ったくらいで……」
「持ってくればよかったのに‼︎」
そう言って翔吾はお腹を抱えて笑い出す。
その手放しの笑顔に柚子はドキドキが止まらなかった。
「だって、結婚するのにそんなもの、変に思われるかなって思って」
「べつに思わないよ! そもそも俺買う時一緒にいたじゃないか」
「そ、そうだけど……」
まるで昔のふたりに戻ったようなたわいもない会話に、柚子の胸は温かくなる。
翔吾が柚子の手を取った。
「ほら行こう。もうすぐショーが始まる」
手を繋いでふたりはまた歩き出した。
「そうだよ! お母さんたちも感心してたじゃない!」
あの時はさすがはお姉ちゃん!と柚子は自慢に思ったものだ。
でもやっぱり翔吾はピンとこないようだった。
「覚えてないな」
そして後ろにある土産物屋に視線を移した。
「あ、ぬいぐるみがある。そういえば柚子あの時、ぬいぐるみを欲しがったよな。しかもちょっと変なやつ」
そう言って翔吾は、なにかを思い出したように噴き出して、肩を揺らして笑い出した。
「え⁉︎ そ、そうだったかな……」
「そうだよ! イルカとかジンベイザメとかかわいいのはいっぱいあるのに、なぜかイカを欲しがったんだ。それもでっかいやつ!」
そうだったかなと言いながら柚子はその出来事をよく覚えていた。
自分と同じくらいの大きさのダイオウイカのぬいぐるみが欲しくてたまらなくなってしまっておねだりしたのだ。
そんなもの……と、母も姉も渋るなか、翔吾だけがいいじゃないかと言ってくれて、無事に買ってもらうことができた。
すごく、すごく嬉しかった。
「め、目が、かわいかったのよ。ぎょろっとしてて……ちゃんと大事にしてたんだよ。ずっと一緒に寝てたんだから。結婚した時に持ってくるかどうか迷ったくらいで……」
「持ってくればよかったのに‼︎」
そう言って翔吾はお腹を抱えて笑い出す。
その手放しの笑顔に柚子はドキドキが止まらなかった。
「だって、結婚するのにそんなもの、変に思われるかなって思って」
「べつに思わないよ! そもそも俺買う時一緒にいたじゃないか」
「そ、そうだけど……」
まるで昔のふたりに戻ったようなたわいもない会話に、柚子の胸は温かくなる。
翔吾が柚子の手を取った。
「ほら行こう。もうすぐショーが始まる」
手を繋いでふたりはまた歩き出した。