政略結婚ですが、身ごもったら極上御曹司に蕩けるほど愛されました
「なにか、不都合でも?」
「いや不都合はないんだが、できるだけ夜の会合は避けてほしいんだ。もちろんどうしても行かなくてはいけないものは仕方がないんだが。しばらくはなるべく早く帰宅したい。その分、日中に詰めてくれてかまわないから……」
多忙を極める翔吾のスケジュールを組む彼に配慮しながらそう言うと、当の彼はくすりと笑みを漏らした。
「なんだ?」
「いえ、大丈夫ですよ。もともと副社長は、ご結婚されたばかりだというのに、今までが詰めすぎというくらい詰めすぎていましたから、そのようにはからいます」
「……ありがとう、頼むよ」
からかうような秘書の言葉に、翔吾は咳払いをして礼を言う。
すると彼は思い付いたように首を傾げて少し意外なことを言った。
「ですが、副社長」
「なんだ?」
「パーティなどの奥さま同伴のお誘いはいかがいたしましょう。こちらも最小限にいたしますか」
この質問には翔吾も答えに窮してしまう。
自らのスケジュールの見直しを彼に頼んだのは、もちろん柚子との時間を増やすためだ。
四六時中は無理にしても、せめて夜は一緒にいてやりたい。
その理屈からいくと夫婦同伴の予定であればよさそうだとも思えるが、妊娠中の彼女の体調を考えると、気を張っていなくてはいけないような誘いはやはり断るべきだろう。
「いや不都合はないんだが、できるだけ夜の会合は避けてほしいんだ。もちろんどうしても行かなくてはいけないものは仕方がないんだが。しばらくはなるべく早く帰宅したい。その分、日中に詰めてくれてかまわないから……」
多忙を極める翔吾のスケジュールを組む彼に配慮しながらそう言うと、当の彼はくすりと笑みを漏らした。
「なんだ?」
「いえ、大丈夫ですよ。もともと副社長は、ご結婚されたばかりだというのに、今までが詰めすぎというくらい詰めすぎていましたから、そのようにはからいます」
「……ありがとう、頼むよ」
からかうような秘書の言葉に、翔吾は咳払いをして礼を言う。
すると彼は思い付いたように首を傾げて少し意外なことを言った。
「ですが、副社長」
「なんだ?」
「パーティなどの奥さま同伴のお誘いはいかがいたしましょう。こちらも最小限にいたしますか」
この質問には翔吾も答えに窮してしまう。
自らのスケジュールの見直しを彼に頼んだのは、もちろん柚子との時間を増やすためだ。
四六時中は無理にしても、せめて夜は一緒にいてやりたい。
その理屈からいくと夫婦同伴の予定であればよさそうだとも思えるが、妊娠中の彼女の体調を考えると、気を張っていなくてはいけないような誘いはやはり断るべきだろう。