政略結婚ですが、身ごもったら極上御曹司に蕩けるほど愛されました
 彼女とともにこれからの人生を歩んでゆく。
 ならば互いに互いを支え合い、苦労や苦難は分かち合っていけばいいのではないかという前向きな気持ちが翔吾の中に芽生えていた。
 あの日、はじめてのデートで行った臨海公園で、オレンジ色に染まる海を見つめながら、翔吾はこれからの決意を口にした。
 それを柚子は熱い涙で受け止めた。
 きっとまだ戸惑いの中にいる。
 突然の妊娠と、突然の翔吾からの告白に、どうすればいいかわからずに混乱している。
 それでも……。
 大丈夫、今からでもふたりは心から信頼し合える本当の夫婦になれる。
 翔吾はそう確信していた。
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