下弦の月
黙って話を聞いてくれていた彼女は、
なぜか涙を流した。
「どうして…泣く?」
「……切ないな…って思っただけ…です……」
下を向いて、溢れ落ちる涙を顎に手を添えて。
上を向かせて拭うと、
「…部長…その子は…きっと、待ってますよ?いつか必ず…思い出します、部長がそれだけ想ってるんですから。」
重なる瞳をそのままに、そんな事を言われて。
だと…いいな。と答えて、月を見上げれば下弦の月が眩しく感じた。
「部長…泣いたりしてすいません…」
唐突に謝られて、
気にするな。と頭を撫でれば、笑顔を返した。
それからーーー、
店内に戻って、暫くすると。
お開きとなり、
二次会へ行く。という面々に断りを入れて、
店の外で別れた。
「部長!」
大通りに出て歩いていた俺を、水上に呼び止められ。
「幹事だろ?二次会、行かなくていいのか?」
「はい、佐藤に任せて来ましたから。」
「そうか…だが、あんまり飲んでねぇだろ?」
「…はい…幹事って飲めないんですよ…」
「だったら…二人で飲みに行くか?」
「でも…部長は、あんまり強くないって言ってませんでした?」
「強くないから、セーブして飲んでたから少しなら大丈夫だ。行くぞ!」
手を差し出すと、とまどいながら重ねられた手を握って。
少し離れた先の、馴染みのバーへ向かった。
なぜか涙を流した。
「どうして…泣く?」
「……切ないな…って思っただけ…です……」
下を向いて、溢れ落ちる涙を顎に手を添えて。
上を向かせて拭うと、
「…部長…その子は…きっと、待ってますよ?いつか必ず…思い出します、部長がそれだけ想ってるんですから。」
重なる瞳をそのままに、そんな事を言われて。
だと…いいな。と答えて、月を見上げれば下弦の月が眩しく感じた。
「部長…泣いたりしてすいません…」
唐突に謝られて、
気にするな。と頭を撫でれば、笑顔を返した。
それからーーー、
店内に戻って、暫くすると。
お開きとなり、
二次会へ行く。という面々に断りを入れて、
店の外で別れた。
「部長!」
大通りに出て歩いていた俺を、水上に呼び止められ。
「幹事だろ?二次会、行かなくていいのか?」
「はい、佐藤に任せて来ましたから。」
「そうか…だが、あんまり飲んでねぇだろ?」
「…はい…幹事って飲めないんですよ…」
「だったら…二人で飲みに行くか?」
「でも…部長は、あんまり強くないって言ってませんでした?」
「強くないから、セーブして飲んでたから少しなら大丈夫だ。行くぞ!」
手を差し出すと、とまどいながら重ねられた手を握って。
少し離れた先の、馴染みのバーへ向かった。