下弦の月
その翌日から、
安藤部長が、正式な部長となり。
今までのやり方が大幅に変わった。
前の部長は、取引先は新しいも古いも関係なく大切にしていた。
揉めれば謝罪をして、また取引をお願いするのは当たり前だった。
だけど、安藤部長は……
こちら側のミスで揉めたのではないなら、
謝罪する必要はない。
そんな厄介な所で取引を継続しても、同じ事の繰り返しだ。
そんな厄介な所で時間を割く暇があるなら、
新しく我が社の薬品を気に入ってくれる所を探して来い。
そのやり方に、反発する社員も何人か居て。
その何人かは辞めて、他の製薬会社に行くと言っていた。
最初の頃は、
「部長、格好いいですね。仕事が出来る人ってステキ、私は部長に着いて行きます!」
なんて言っていた栞ちゃんは、
部長に発注ミスや書類のミスでよく、怒られていて。
最近では、鬼だ。とか……
怖い。とか……言い出して。
「あんな人、恋愛対象外です!」
そんな感じで部長を見て、仕事してたのか?と飽きれて…
何も言えなかった。
だけど辞めないのは、きっと仕事が好きで。
部長のやり方が気に入らないわけではないみたい。
栞ちゃんだけではない、部長を他にも鬼だって言う人はたくさんいる。
いつも眉間に皺を寄せているし、あまり笑わない。
だけど、私は知っている。
いつも遅くまで残業して、
薬のひとつひとつを私達が契約しやすいように纏めていたり、
新しい取引先を見つけてくれば自ら出向いて挨拶したり、
社員のミスも後処理は…
部長がしてくれている事を。
安藤部長が、正式な部長となり。
今までのやり方が大幅に変わった。
前の部長は、取引先は新しいも古いも関係なく大切にしていた。
揉めれば謝罪をして、また取引をお願いするのは当たり前だった。
だけど、安藤部長は……
こちら側のミスで揉めたのではないなら、
謝罪する必要はない。
そんな厄介な所で取引を継続しても、同じ事の繰り返しだ。
そんな厄介な所で時間を割く暇があるなら、
新しく我が社の薬品を気に入ってくれる所を探して来い。
そのやり方に、反発する社員も何人か居て。
その何人かは辞めて、他の製薬会社に行くと言っていた。
最初の頃は、
「部長、格好いいですね。仕事が出来る人ってステキ、私は部長に着いて行きます!」
なんて言っていた栞ちゃんは、
部長に発注ミスや書類のミスでよく、怒られていて。
最近では、鬼だ。とか……
怖い。とか……言い出して。
「あんな人、恋愛対象外です!」
そんな感じで部長を見て、仕事してたのか?と飽きれて…
何も言えなかった。
だけど辞めないのは、きっと仕事が好きで。
部長のやり方が気に入らないわけではないみたい。
栞ちゃんだけではない、部長を他にも鬼だって言う人はたくさんいる。
いつも眉間に皺を寄せているし、あまり笑わない。
だけど、私は知っている。
いつも遅くまで残業して、
薬のひとつひとつを私達が契約しやすいように纏めていたり、
新しい取引先を見つけてくれば自ら出向いて挨拶したり、
社員のミスも後処理は…
部長がしてくれている事を。