下弦の月
「お前らな、仕事を何だと思ってる?楽しいか、楽しくないかが基準か?そんな考えで仕事すんなら…どこの部へ行こうが、どんな職に就こうが務まらねぇぞ。

仕事ってのはな、楽しい時もあれば辛い時もある。悔しい時だってある。だから、面白いんじゃねぇか?」







柊輔さんの言葉は、私の心にスーッと溶け込んだ。




そうだよね、辛い、悔しい思いをしたら…それをバネにして頑張れば必ず結果が出るから、




楽しいし嬉しい。








「それから、言われる事が悔しかったら、言われねぇように頑張れよ。ここにいる奴等もみんな、そうやって成長して今があるんだ。女だからって嘗められて尻を触られても、歯を食いしばって耐えて愛想笑いを振り撒いて頑張った結果なんだよ。

あとな…月香は要領よくねぇくせに、いつも一人で仕事を抱えてんだよ。泣き言ひとつ言った事ねぇ。そんな奴だから惚れたんだよ。守ってやりたいと思うんだよ。佐藤はな…そんな月香を見て、追い付こうと必死で頑張ってんだ。健吾もそんな佐藤の姿を見て惚れたんだろ。

頑張ってもねぇ、俺や健吾に守られてるなんて思ってるお前らに悪く言う資格はないぜ。」







篠田先輩は目をハートにして、




健ちゃんと栞ちゃんは顔を真っ赤にして、




新人2人は下を向いたまま、固まっている。
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