下弦の月
キレてるのは間違いないのに、
穏やかに諭すように伝えられるって、
誰にでも出来るわけじゃない。
この人は本当に“いい男”だと、
好きになって良かったと、心から思った。
「篠田の言った通り、2人はお前らが帰った後…遅くまで残業してんだ。時には、会社で寝ちまってんだぞ。二人とも、目の下にクマ作って…穴を開けないように迷惑かけないようにな。
それを馬鹿馬鹿しいとか思うなら、もう来なくていいが。まずは、その甘ったるい考えを改めて…言っていい事と悪い事の区別くらい付けられるようになれ。」
2人の頭をポンッと叩いた柊輔さん。
「部長は、ちゃんと一人一人を見てるの。頑張って出した結果をきちんと褒めてくれるし、ミスしたら一緒に頭を下げてくれる。私達に負担を掛けないように一人で契約を取って来てくれた事もある。だから皆、着いて行こうって思うの。そんな、皆に慕われて厳しい所もあるけど…優しさもある部長だから好きになったの。」
悔しそうに、何かを言いた気な2人を見て言わずには居られなかった。
「言ってくれるな、月香。いい女だよ、お前は。」
私の頭を撫でて、2人に向き直ってから。
「明日は、休みだ。ゆっくり頭を冷やせ。ちゃんと…月香と健吾と佐藤、篠田に謝って帰れ。」
と、柊輔さんに言われた2人は私達に頭を下げて。
「皆さん、すいませんでした。お疲れ様でした。」
「私もすいませんでした。お疲れ様でした。」
正座をしたまま頭を下げて帰って行った2人を、
送って行く。と、
「かっこ良かったですよ、部長。一生、着いて行きます。お疲れ様でした。」
そう言って、2人を追い掛けて篠田先輩が出て行った。
何だかんだ言いながら、篠田先輩は面倒見がいい。
私も、篠田先輩の面倒見の良さに育てられたんだよね。
穏やかに諭すように伝えられるって、
誰にでも出来るわけじゃない。
この人は本当に“いい男”だと、
好きになって良かったと、心から思った。
「篠田の言った通り、2人はお前らが帰った後…遅くまで残業してんだ。時には、会社で寝ちまってんだぞ。二人とも、目の下にクマ作って…穴を開けないように迷惑かけないようにな。
それを馬鹿馬鹿しいとか思うなら、もう来なくていいが。まずは、その甘ったるい考えを改めて…言っていい事と悪い事の区別くらい付けられるようになれ。」
2人の頭をポンッと叩いた柊輔さん。
「部長は、ちゃんと一人一人を見てるの。頑張って出した結果をきちんと褒めてくれるし、ミスしたら一緒に頭を下げてくれる。私達に負担を掛けないように一人で契約を取って来てくれた事もある。だから皆、着いて行こうって思うの。そんな、皆に慕われて厳しい所もあるけど…優しさもある部長だから好きになったの。」
悔しそうに、何かを言いた気な2人を見て言わずには居られなかった。
「言ってくれるな、月香。いい女だよ、お前は。」
私の頭を撫でて、2人に向き直ってから。
「明日は、休みだ。ゆっくり頭を冷やせ。ちゃんと…月香と健吾と佐藤、篠田に謝って帰れ。」
と、柊輔さんに言われた2人は私達に頭を下げて。
「皆さん、すいませんでした。お疲れ様でした。」
「私もすいませんでした。お疲れ様でした。」
正座をしたまま頭を下げて帰って行った2人を、
送って行く。と、
「かっこ良かったですよ、部長。一生、着いて行きます。お疲れ様でした。」
そう言って、2人を追い掛けて篠田先輩が出て行った。
何だかんだ言いながら、篠田先輩は面倒見がいい。
私も、篠田先輩の面倒見の良さに育てられたんだよね。