下弦の月
沖田さんは、やはり体調は思わしくなく……





幕府の医師である松本良順先生の所に身を寄せる。






その世話役として、土方さんは八重を同行させた。






八重は、





「斎藤さんの側にいたい。」





と懇願したが、斎藤さんにも。





「総司を頼む。落ち着いたら…必ず行く。」






そう、言われ……渋々ながら了承した。








出立前、二人だけにしてもらい…八重と別れの挨拶を交わした。



「月香と過ごした日々は、忘れないよ。月香の時代でも、また友人になりたい。」





涙を流しながら、私を強く抱き締めてくれた。






「きっと、私の時代ではもう八重とは友達のような気がする。」






本当に、そんな気がして伝えると。





「気を付けてね。月香も、生きて…ちゃんと未来に帰って。」






って…言ってくれた八重。





最後は、笑顔で八重に。




ありがとう。と告げた。





未来から来たと言う怪しい私を助けてくれた八重に、



心を込めて。
< 64 / 161 >

この作品をシェア

pagetop