下弦の月
いつぶりだろうか…
土方さんがこうして休んでいる姿を見るのは。
余程、疲れていたんだと思う。
眠り出したら…生きてるのか心配になるくらい眠り続ける。
「月香…少し…風に当たりたい…」
襖を開けると梅雨明け間近のジッとりした風が、
部屋に吹き込んだ。
「縁側に出ますか?」
小さく頷いた土方さんを支えて起こして、
一緒に縁側に座る、熱いお茶を淹れて。
「戦の最中とは…思えねぇくらい…穏やかだな…」
特に何もない、川のせせらぎだけが聞こえる外を見ながら、呟いた土方さんの顔は、
本当に穏やかで、温かくて。
肩に頭を預けると、私の肩に腕を回して引き寄せてくれた。
「そうですね…懐かしい、皆で縁側で西瓜を食べたり…お月見したり…楽しかったですね…」
「ああ…そんなに昔じゃねぇのにかなり…昔に感じるよ…」
「はい…土方さん、この先はどうするんですか?」
「…わからねぇ。ただ…言えるのは更に北へ行く事になるだろうな…」
「そうですか…」
「お前も…着いて来るんだろ?」
「はい、土方さんが許してくれるなら…」
「許さなくても…着いて来るだろうが…」
「…当たり前です…」
「本当に…お前ってやつは…」
そう、呟いて……続きを呑み込んだように見えた。
何を言おうとしたの?
頭に、この問いが浮かんだと同時に……
唇が塞がれた。
その、柔らかな唇を受け止めながら…
好きです、ものすごく好きです。
心の中で何度も、繰り返していると。
舌が割り込んできて、熱い深いキスに変えられた。
川の優しいせせらぎと、お互いの唾液が交ざり合う音が。
あまりにミスマッチだけど、
私の身体は甘い痺れに酔しれて…
土方さんが求めるだけを、受け入れた。
土方さんがこうして休んでいる姿を見るのは。
余程、疲れていたんだと思う。
眠り出したら…生きてるのか心配になるくらい眠り続ける。
「月香…少し…風に当たりたい…」
襖を開けると梅雨明け間近のジッとりした風が、
部屋に吹き込んだ。
「縁側に出ますか?」
小さく頷いた土方さんを支えて起こして、
一緒に縁側に座る、熱いお茶を淹れて。
「戦の最中とは…思えねぇくらい…穏やかだな…」
特に何もない、川のせせらぎだけが聞こえる外を見ながら、呟いた土方さんの顔は、
本当に穏やかで、温かくて。
肩に頭を預けると、私の肩に腕を回して引き寄せてくれた。
「そうですね…懐かしい、皆で縁側で西瓜を食べたり…お月見したり…楽しかったですね…」
「ああ…そんなに昔じゃねぇのにかなり…昔に感じるよ…」
「はい…土方さん、この先はどうするんですか?」
「…わからねぇ。ただ…言えるのは更に北へ行く事になるだろうな…」
「そうですか…」
「お前も…着いて来るんだろ?」
「はい、土方さんが許してくれるなら…」
「許さなくても…着いて来るだろうが…」
「…当たり前です…」
「本当に…お前ってやつは…」
そう、呟いて……続きを呑み込んだように見えた。
何を言おうとしたの?
頭に、この問いが浮かんだと同時に……
唇が塞がれた。
その、柔らかな唇を受け止めながら…
好きです、ものすごく好きです。
心の中で何度も、繰り返していると。
舌が割り込んできて、熱い深いキスに変えられた。
川の優しいせせらぎと、お互いの唾液が交ざり合う音が。
あまりにミスマッチだけど、
私の身体は甘い痺れに酔しれて…
土方さんが求めるだけを、受け入れた。