下弦の月
だけどな……







「駄目だ…俺が生きようが、死のうが…お前はお前の時代に帰れ。この時代に…残ったら…お前の時代で出会って…共に生きてる全ての奴を捨てる事になる。だから…帰るんだ?いいな?」







「…でも…私は…土方さんと…生きたいんです…」







「俺も…月香と生きたいさ。だがな…時代の流れには逆らうべきじゃねぇ。逆らえば…お前の時代で、お前は存在しねぇかもしれない。」







「…はい…だったら…また私の時代で…逢えますか?」







「ああ…逢える、探すさ。俺は…いつ死ぬんだ?とは聞かない。だが…その時まで、一緒に生きよう?」







「…はい…土方さん…貴方が好きです。」







「ああ…知ってたよ、お前の口から聞きたかった…」







「もう…土方さん…」






ほんのり紅く顔を染めた、月香が可愛くて。




口付けをする。






初めてではない月香との口付けだが、




柄にもなく胸の鼓動が激しく、煩いくらいに鳴っているが、





唇を離すことは出来ない。







舌を捩じ込むと…自ら俺の舌に絡ませてくる月香が、




どうしようもなく、愛しくて。






唇を離して、







「…お前の全てを…俺のものにしていいか?」






耳元で囁くと、






小さく頷いてから、






「…はい…土方さんのものにして下さい…」






潤んだ瞳に捕らわれて、答えられたら……





「本当に…いいんだな?」






頷いた月香の唇を塞いだ。
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