下弦の月
遠く遠くから聞こえた気がした除夜の鐘。
歳三さんを見上げると、
知らない間に浮かんでいた涙を拭って、
唇を重ねてくれた。
「俺はな…お前の笑顔が好きなんだ。だから、最後は笑ってくれ。」
「…出来るだけ…頑張ります…」
鼻で笑った後に、
「笑ってくれなかったら…許さねぇぜ。」
と、抱き締めて…
「泣くのは…今日で…最後だ。ちゃんと笑えるように、俺を忘れないように、たくさん愛してやるよ…」
頭に手を添えて、胸に押し付けてくれたから。
決壊した涙腺なんて、お構い無しに泣いた。
私の泣き声は、冬の荒波の音と響き合いながら、
冷たい空に消えて行く。
「お前の流す涙は…どんな涙でも綺麗だな…」
落ち着きそうな私の頭上から、そんな呟きが聞こえて。
歳三さんを見上げると、
「だから…拭ってやりたくなる。笑顔もいいが…泣き顔も悪くないぜ…」
柔らかく微笑んで、涙を拭ってくれる。
綺麗な指先で。
「それなら…前言は撤回ですか?」
「撤回しねぇよ、ちゃんと笑え。ただ…悪くない…だけだ。笑顔の方が似合う。」
歳三さんの顔がほんのり紅い気がして笑ってしまう。
照れ隠しだろう、
「そろそろ…戻るぞ。」
指を絡ませて、手を繋ぎ、暖かい部屋に戻った。
そしてーーー、
身体をひとつに繋げる。
相性がいいのか、身体が初めての時から馴染んで溶け合った。
もうこんな人とは出逢えないと思うくらい。
歳三さんも、同じように思ったのか。
そういう事を口にした事がある。
歳三さんを見上げると、
知らない間に浮かんでいた涙を拭って、
唇を重ねてくれた。
「俺はな…お前の笑顔が好きなんだ。だから、最後は笑ってくれ。」
「…出来るだけ…頑張ります…」
鼻で笑った後に、
「笑ってくれなかったら…許さねぇぜ。」
と、抱き締めて…
「泣くのは…今日で…最後だ。ちゃんと笑えるように、俺を忘れないように、たくさん愛してやるよ…」
頭に手を添えて、胸に押し付けてくれたから。
決壊した涙腺なんて、お構い無しに泣いた。
私の泣き声は、冬の荒波の音と響き合いながら、
冷たい空に消えて行く。
「お前の流す涙は…どんな涙でも綺麗だな…」
落ち着きそうな私の頭上から、そんな呟きが聞こえて。
歳三さんを見上げると、
「だから…拭ってやりたくなる。笑顔もいいが…泣き顔も悪くないぜ…」
柔らかく微笑んで、涙を拭ってくれる。
綺麗な指先で。
「それなら…前言は撤回ですか?」
「撤回しねぇよ、ちゃんと笑え。ただ…悪くない…だけだ。笑顔の方が似合う。」
歳三さんの顔がほんのり紅い気がして笑ってしまう。
照れ隠しだろう、
「そろそろ…戻るぞ。」
指を絡ませて、手を繋ぎ、暖かい部屋に戻った。
そしてーーー、
身体をひとつに繋げる。
相性がいいのか、身体が初めての時から馴染んで溶け合った。
もうこんな人とは出逢えないと思うくらい。
歳三さんも、同じように思ったのか。
そういう事を口にした事がある。