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「今年の夏で最後だって」

君が好きなナポリタン。僕の唯一の得意料理を頬張りながら君が言う。

「...そっか」

いつものように淡々と喋る君に、なんと声をかけるべきか。ただただ美味しそうに、ナポリタンを食べる君に。

「そうだ、行きたい所があるの」

彼女が携帯の写真を見せる。
僕たちの住むアパートの前にある看板に貼られたチラシ。

「在野公園?桜が綺麗なとこ?」

今日は4月6日。
桜の時期にしては少し遅くないだろうか。


「うん。葉桜がね、見たいの」

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