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4月10日、土曜日。

7時前に起きた。お弁当を作るために。
少し甘めの卵焼きを作って、おにぎりを少し小さめに握り海苔で巻く。

「コンビニのおにぎりって、海苔がパリパリなのがちょっと嫌なの。こぼしちゃうんだもん」

出会ってまもない頃、君が言っていた。
上手に食べられないから恥ずかしい、と。
きっと今はそんな事気にしないんだろうけど。

「おはよう。早いね。」

眠そうな君がキッチンを見に来る。そして、パッと笑顔になる。

「おはよう。準備しといで。今日暖かいから、お花見日和だよ。」

眠そうだったのが嘘のように、パタパタと走って行った。

お弁当ももう少しでできそうだ。
ウインナーに切れ目を入れてタコの形にする。切っただけだとそうでもないけれど、焼くと切れ目を入れた部分が外側に反れてタコらしくなる。
君の喜ぶ顔が頭に浮かんだ。
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