恋歌-Renka-
担任が軽く話して
この日の学校はすぐ終了。
私は煩い教室からいち早く
脱出したくて、足早に
教室を出た。
素早く靴に履き替え
校舎を出て歩き出す。
家までの道のりは
そう遠くない。
「ただいま。」
家に入り、リビングにいる
汐莉おばさんに話しかける。
「あら、おかえり。学校どうだった?」
「んー、煩いクラスに当たっちゃって……ちょっと最悪かも」
私が苦笑いを浮かべると
「そう。何かあったらいつでも言うのよ。」
汐莉おばさんはそう言って
心配そうに顔を覗き込む。
そんな些細な気遣いに
感謝の気持ちが込み上げる。
「ありがとう。」
それしか言えない自分が
情けないけど、今はそれが
精一杯だった。
階段をあがって自室へと戻り
ドサッとベッドに倒れ込むと
気づけば私は眠りについていた。