恋歌-Renka-
「怒鳴らないでよ!!私はこんなに……こんなにも涼太が好きなのに」
「悪いけど………俺の心にいるのは、美保……お前じゃない」
美保の瞳から涙が
ポロポロと溢れ出す
美保も本気なんだ
私は唇を噛み締めた。
「俺の心は簡単には動かないよ。花音に片想いして何年か知ってる?7年だよ、7年!」
7年!?
帝は7年前から
私を知っていた!?
帝の言葉には驚きしか
出てこない………
けれどそんなに長い間
想われ続けていたことが
嬉しくて自然と頬が緩む。
そして何も言えずにただ
帝の言葉を茫然と聞く美保
「俺は花音には好かれてはいないけど…俺は花音を誰よりも一番愛してる」
違う…
違うよ、帝…
私はこんなにも貴方の
事が大好きで仕方ない
私も貴方を愛してる
「もう叶わなくても、もう話せなくても…俺は花音以外の奴は愛せない…」
私も伝えなきゃ!!
「帝!!」
気づけば二人の場所へ
足を踏み出していたーーー