恋歌-Renka-
第5章
第5章 *好きと反比例*
*涼太 side*
裏庭で美保にキスされたーーー
あまりにも唐突過ぎて
一瞬唖然とするが
「ーーーー…っ!?何すんだよ!?」
怒りに満ちた声で
怒鳴り付けた。
それと同時に抱きつかれていた
体を思い切り突き放す
その反動で少し後ろに下がる美保
俺を悲しそうにキッと
睨みつけながら
「怒鳴らないでよ!!私はこんなに……こんなにも涼太が好きなのに」
怒鳴り返す
「悪いけど………俺の心にいるのは、美保……お前じゃない」
どんだけ傷ついても
胸が張り裂けそうなくらい
切なくても、俺は花音じゃなきゃ
ダメなんだよ………
美保の瞳から涙が溢れ出した
美保が本気だってことくらい
俺にだってわかる
でも、それと同じくらい
いや、それ以上に……
俺も花音の事を本気で想ってる
「俺の心は簡単には動かないよ。花音に片想いして何年か知ってる?7年だよ、7年!」
驚きのあまり
何も言えなくなったのか
口を開かない美保。
俺はそんなことお構いなしに
話し続けるーーーーー