恋歌-Renka-
第6章
第6章 *忘れられた記憶*
*涼太 side*
花音と喧嘩したまま
文化祭2日目が訪れた。
また、一言も会話を
しない冷戦状態を繰り広げている。
やっと付き合えたのに
何してんだ自分………
とは思うけど
蒼や優樹は別としても
やっぱり花音が他の男と
絡んでるのはなんか許せない。
しかもあいつ………
なんかありそう。
「はぁぁぁいっ!!みなさんご注目!」
美保のでかい声に周りの
視線が執事喫茶入り口へと移る。
「今日の執事喫茶は、男性客を迎えられるようメイドさんも増やしちゃいましたぁ!!さぁ花音ちゃん!」
「花音だよー!遊びに来てくれなかったら怒っちゃうんだからね!ぷんぷんっ」
「ーーーー…ププッーーー」
あまりに似つかわしくない台詞に
思わず笑いながら視線を動かす。
「マジかよ……」
俺は思わず口元を押さえた。
視線の先には
長い黒髪をツインテールにして
メイド服を着ている花音が
立っているではないか……
頭には猫耳なんて着けちゃって
恥ずかしそうに顔を真っ赤に
染めながら一生懸命台詞を言う。
「あれは…まじやばいだろっーーーーー……!?」
本人は無自覚だが……
花音はめちゃくちゃ可愛い。
153という小さい身長
細くて白い肌に、くりくりの黒い瞳
口なんかめっちゃ小さくて
本当お人形さんみたいなんだ。
今でこそしゃべり方は本当
男みたいだけれど……
最初に出会ったときは
もっと女の子らしかった……
そう……俺と花音が出会ったのは
小学校3年生の時だったーーー