恋歌-Renka-
このイケメン過ぎる顔のせいで
女子からは好かれるが男子からは
疎まれていた(←自重しろ)
当時の俺は弱虫で男子共に
いじめられてばかりで
あの日も同じように
近くの公園で俺の
ランドセルを取りあげ
必死に追いかけ回す中
ゲラゲラと笑いながら
ランドセルを投げ回し
俺の泣きっ面を見て
楽しむ人間の屑たち。
「やめてよ!返してよーーーーー……僕のランドセル!!」
「誰が返すか、ばーか」
「ちょっと!!」
大きな声と共に
ロングヘアーの女の子が
俺たちのもとへ走ってくる
学校では見たことないから
違う学校の子だとすぐにわかった。
「は?なんだお前?」
「数人で一人をいじめるなんて、あんたたち弱虫なの?そのランドセル返してあげなさいよ!」
威勢のいい女の子は
微塵も男たちを恐がらず
淡々と用件を告げる。
「は?女は引っ込んでろよ!!」
「そのランドセル……」
彼女が俺のランドセルを指差す
「は?」
「そのランドセル返してくれたら、引っ込んであげるよ」
そいつらを嘲笑いながら
挑発の手招きをする
「無理だよ!勝てるわけない!僕のせいで君が怪我しちゃう!」
俺は必死に止めようとしたが
彼女は「大丈夫」と言って
殴りかかってきた男たちの前に
一歩踏み出したーーーーー
俺は怖くなって目を瞑る。