恋歌-Renka-
その日から俺たちは
よく遊ぶようになった。
「ねー、道場にはもう行かないの?」
「うん、辞めちゃったの。」
「え、何で?」
「いや、えっと……家庭の事情?ってやつかな………」
「かていのじじょう?」
俺にもわからないその単語を
花音は当たり前のように話す。
「そう。まあ、いいじゃん!ほら、遊ぼ!」
花音が綺麗な瞳で笑うから
「うんっ!」
つられて俺も笑った。
それからさらに1年が経ち
すっかり仲良くなった俺達。
ある日、いつものように
花音のところに遊びに行くと
少しガラの悪い中学生に
絡まれていた。