恋歌-Renka-
店内にいる女性客が
「きゃあーーーっ!!!」
と叫び、他の男性客や
生徒たちも目を見開いて
俺を見るーーー。
ても、そんな視線なんか
気にならないほど
目の前のこの男に
腹が立っているわけで…
殴った拍子に尻餅をついた
先輩の胸ぐらを怒りまかせに
鷲掴みにする。
「あのな、先輩さんよ。言っとくけど………花音は俺の大切な女なんだよ。だから俺以外の人間が容易く手出しちゃいけないわけ……」
先輩は俺の声に
怯えた様子もなく
馬鹿にしたような
笑みを浮かべる。
「わかったなら…とっとと失せろ。そして二度と花音に近づくな……もし、一歩でも近づいたら………そんときは覚悟しとけよ?」
冷静に……しかしいつもより
何倍も低いトーンで
先輩を睨みつける。
「おー、怖い怖い。でもね、お前なんかより俺の方が、何百倍も花音を楽しませてあげられるけど?………こうやって……」
俺を突き飛ばして立ち上がるなり
花音に近づいて彼女の首筋を
ペロッと舐める………
「ひゃあっ///」
舐める…………?
は?
何してんの?
なんつー声出してんの?
俺が先輩を殴ろうと拳を
振り上げるより先に
パァンッ
乾いた音が教室中に
鳴り響いたーーー