恋歌-Renka-
ばかばかばか!!!
何で分かってくれないの!?
気づけば自宅近くの
公園まで来ていたーーーー
ブランコに腰をかけ
何もない空虚を見つめる
空は雲ひとつない晴天なのに
私の心はどしゃ降りだよ
なんで………上手くいかないかな?
ついこの間………二人の距離が
縮まったと感じたばかりなのに
たった今、その距離が大きく
開いたような気がしてならない。
「はぁ………」
「溜め息なんてついて、どうしたんですか?」
振り向けばそこには
笑顔の西谷が立っていた。
「に、西谷!?なんで………」
「たまたま、通りかかったら………花音さんがいたんで…。帝と喧嘩でもしたんですか?」
サラサラな黒髪を靡かせ
優しく微笑む西谷の言葉に
胸が締め付けられた………
喧嘩…………
っていうか私がただ
一方的に怒ってるだけ………
私は何も言わずに
首を横に振った………
そして先程の帝とのやり取りを
西谷に洗いざらい話した。