恋歌-Renka-
「おぉ…懐かしい。花音ちゃん、ずいぶんべっぴんさんになったな……」
涼太パパが感心したように
頷きながら言う
「いえいえ、とんでもないですっ!」
それが何だかこそばゆくて
慌てて否定した
「さぁ、早く食べましょ」
涼太ママが蕎麦を
テーブルに並べる
「「「いただきます」」」
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毎年恒例の紅白を
見ながら年越し蕎麦を食べる
汐莉おばさん
一人で寂しくないかな?
ふと考えて
ちょっと心が
苦しくなる
ごめんね、汐莉おばさん
と心の中で呟いて
「ごちそうさまでした。」
食べ終わった食器を
台所に持っていく
そして食器を洗おうと
スポンジに手を
伸ばしかけたところで
「あ、置いといて大丈夫よ!私がやるから」
と笑顔でいう
「あ、いや……でも」
「いいのよ!それよりほら、初詣一緒に行くんでしょ?今からもう行ったら?」
「そうだな………花音行くぞ。」
立ち上がるなり
私の手を引いて
玄関に向かう涼太
「え、あ…うんっ!すみません、食器お願いします!!」
私は、慌てて涼太ママに
謝って、涼太と一緒に
帝家を後にしたーーーーー
ーーーーーー
神社に足を
踏み入れると
辺りには屋台が
広がっている
「もう……こんな時間から屋台やってるんだな」
「ね、俺もびっくり。」
それからすんごい人の数
「はぐれないように、ちゃんと手繋いでろ」
そんなことを
サラッと言って
私の手をギュッと握る
それだけで私の
鼓動は急上昇
私も涼太の手を
ギュッと強く握り返した。
「今、何時だ?」
二人で林檎飴を食べながら
話をするーーーーー
「えっと、23時59分………丁度1分前かな………」
「もう、そろそろだな」
私の胸はまた別の意味で
ドキドキしていた。