恋歌-Renka-
「本当に大丈夫か…?」
公園から出て
再度私の家の前にきた
そこで涼太が
心配そうに聞いてくる
「うん、大丈夫だ!汐莉おばさんもいるしな」
「そっか………何かあったらすぐに連絡しろよ?」
「わかってる!!じゃあな」
私は涼太に手を振って
家の中に入った。
ーーーーーーーー
「ただいまー」
「………………」
小さな声で呟くが
返事がない。
こんな時間だし
寝てるのかもな……
そう思ってリビングには
行かずにそのまま階段を
上がろうとする…………
「………私はっ……認めないわ!」
「認めない?ハッ……親権はもうこっちのもんだ。」
汐莉おばさんの声と
聞いたことのない男性の声が
私の耳を掠める………
私は階段から
リビングの方へ
向き直り
ドアに手をかけたーーーーー
「か、花音!」
汐莉おばさんが
目を見開いて驚く
「汐莉おばさん………誰?その人」
私は汐莉おばさんに視線を向けながら
彼女の隣にいる40代前半くらいの男性を指差す
「嫌だなぁ、花音。お父さんの顔も忘れたのか?」
答えたのは汐莉おばさん
ではなく、その男だった。
は?
お父さん?
誰が?
「花音………俺はお前の父親だ。そしてこいつが、俺の息子でお前の婚約者だ」
「また会ったね……花音」
父親と名乗る男が
手招きをすると
私の前には、さっき神社の
前で出会った男の子がいた。
「お、お前はさっきの!!汐莉おばさん、これは一体どういうことだ!?」
私は凄い剣幕で
汐莉おばさんに
つっかかる………
一体何が起きているんだ!?