恋歌-Renka-
そうだ!!
涼太に電話しなきゃ!!
そう思って携帯に
手を伸ばす
しかしなんとも残念なことに
私の部屋には鍵というものが
ついておらず………
「誰に電話しようとしてるの?」
誰かが私の部屋に
足を踏み入れた
顔を見なくても
声でわかる。
霧山 遙 だーーーーー
私は潜り込んでいる
布団の端をキュッと握って
「勝手に入ってくるな!!!出てけ!!!」
思いきり叫んだ
「じゃあ、その携帯置いてよ」
霧山の口から出る声色は
どれにも当てはまらない
怒っているわけでもなく
不機嫌なわけでもなく
悪戯に笑うわけでもなく
無表情な彼…
何を考えているのか
まったく読めない。
「お前に……指図される覚えはない」
「へぇ……花音て強気な子なんだね……」
そんなことをボソッと
呟きながら私のベットに
腰を掛ける
「勝手に座るな!!早く出てけ、あの男と一緒に、早く家から出てけ!!ーーーーーーーわっ!!」
私の怒鳴り声と共に
布団が剥がされる
そして霧山と
バッチリ目が合った……