恋歌-Renka-
「俺……捨て子だから。」
「え……」
悲しげに霧山が呟く……
「俺は赤ん坊の頃、施設の前に捨てられたんだ………それをあの人が養子として引き取ってくれたわけ。」
そんな霧山の姿が
過去の自分と重なる
「そ、そうだったのか………なんか悪いこと聞いたな。でも、だからって私がお前と結婚する理由にはならない!」
こんなやつに
心揺らしてどうする?
「そんなこと言ってられるのも…今のうちだよ。1年後……アメリカへ行く」
「アメリカ?………ま、まさか!!……そこへ私も連れていくつもりか?」
「当たり前じゃん………だからあいつとは別れて」
「ハッ………バカかお前。そんなこと言われて、はいはいそうですかって別れる奴がいるとでも思っているのか?」
「さぁ?いないんじゃない?」
だったら言うな!!
するといきなり霧山が
ニヤリと不適な笑みを浮かべる
「何がおかしい?」
私は霧山を睨み付ける
「別れないっていうなら………俺があいつの家族壊してやるよ」
は!?
「なっ………!!!そんなのハッタリだ!!!」
何を言い出すんだコイツ!?
頭わいてんのか??
「嘘だと思うなら……そう思っててもいいよ。ただ……後悔しても知らないから」
彼は後半の言葉を強く残して
私の部屋を出ていった………
帝家を壊す?
何をどうやって?
所詮そんなのただの脅しだ
ハッタリに決まってる
もし万が一何か起きたとしても
私が必ず守ってやる!!!